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池水雄一の「ゴールドディーリングのすべて3」

暗雲ただようインドのゴールドマーケット

昨年から何かとインドには注目が集まりますが、2017年もゴールドの世界の実需という面ではおそらくインドが最大の注目国となりそうです。

 2016年12月のゴールド輸入量は、前年比46%ダウンという大きな減少になりました。2015年12月は106トンの輸入であったのが、2016年12月は56.9トンに終わったとのことです。これにより2016年1年のインドのゴールド輸入量は570.8トンとなり、一年でも44%という大幅な輸入量の減少となりました。これは年前半の新たなゴールドに対する売上税課税に対する宝飾業者の反対のストライキ(6週間続きました)や、年後半はモディ政権の突然の高額紙幣廃止による紙幣不足の経済の混乱と、政策的なアンチ・ゴールドな動き(80:20ルールやゴールド預金とゴールド債券スキーム。詳しくはバックナンバーをお読み下さい)と経済政策そのものが、これまでのインドの巨大なゴールド需要を減少させています。

 インド政府は明らかに「現金」を減少させる方針で動いており、現在は国中が混乱している状態です。これは高額紙幣により蓄財された不正な資金や、マネーロンダーリングなどを防ぐための措置であり、旧500と1000ルピー紙幣を廃止し、新札に交換するとしましたが、明らかに紙幣全体の量を減らし、より捕捉のしやすい銀行口座間の振込みによる決済など、「現金」に依存しない金融システムを構築しようとしているようです。

 もし、これがうまく行けばゴールドの需要を大きく減少させるマイナス要因になりそうです。2017年のゴールド需要は2016年以上に悪化が予想されています。インドの人々は初めて現金ではない方法でゴールドを買わなければいけないという立場に立つからです。その昨年の570トンに対して、今年は400トンから500トンくらいになるのではないかという見方もあります。もし、その通りになれば、年間1000トンからの半減となり、ゴールドの価格形成においても少なからず影響があると考えられます。2017年のゴールドマーケットはトランプ政権の誕生により、地政学リスクという観点からは、ゴールドは安全資産として見直され、投資マネーの流入が再び来る可能性があると考えますが、昨年に続き実需は厳しい状況になりそうです。

 (インドのゴールド輸入量の推移:トン)

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(インドルピーとゴールドの動き:過去10年間)

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(ゴールド地金需要の変化)

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