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池水雄一の「ゴールドディーリングのすべて3」

LPPM Platinum Week

今週はロンドン・プラチナウィークに参加してきました。相変わらずの弾丸スケジュールで行ってきました。月曜日に出て、木曜日に帰国という2泊4日のスケジュール。年に一回毎年5月のこの週に世界中からプラチナビジネスの関係者が一斉にロンドンに会し、中心となるLPPM(London Platinum and Palladium Market)の中核企業が、それぞれこの一週間に、Breakfast、LunchそしてCocktail とDinnerという形で、それぞれの顧客および取引先を招待して行うというものです。今年の人数がどれくらいのものかはまだ発表されていませんが、例年500人以上が世界中からロンドンに集います。ここに行けばほぼ確実に多くの業界関係者と会って話すことができるという意味で、便利な機会であると言えます。また、その年のマーケットに対する参加者たちの考えを聞くこともでき、調査会社のPGMの需給の見通し発表もこの週のロンドンで皮切られます。

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需給についての詳しいレポートはまた日を変えて書きたいと思いますが、まずは端的な印象だけ。今年はこれまで起こったことがないような雰囲気でした。例年だいたいやはり強気の意見が幅を利かすのですが(やっぱり業界がら、上がって欲しい人が多いのでしょう)、今年は非常にばらばらな意見が多かったです。いつも通り強気の人もいるのですが、それ以上に若干弱気が多いような感じでした。そして、それを裏付けるような、各調査会社によってまちまちな(見方によれば全く正反対な)需給見通しが発表となり、参加者を驚かせています。こんなことは初めてです。

Johnson Matthey社はプラチナとパラジウムの世界最大の精錬会社ですが、彼らの発表した予想はプラチナは6年振りに供給過多になるというものでした。彼らの供給過多予想は302,000toz(約9.4トン)と、かなり大きな数字になっています。昨年は202,000toz(約6.3トン)の供給不足であったことを考えるとなんと16トン近く供給が増えたということになります。この大きな変化の主な理由は「需要の減退(マイナス9.5%)」で、ディーゼル自動車の触媒でのプラチナの使用量が単位当たりで減少するからだとしています。また中国ではプラチナの宝飾品需要は減少が続き、宝飾業者はよりゴールドの方に力を入れつつあるということも指摘しており、宝飾品でのプラチナの不調も供給過多の要因と思われます。

このJM社の見方と全くもって反対なのが、World Platinum Investment Council(WPIC)とThomson Reuters GFMSです。

GFMSのアナリストは「プラチナは2016年から2017年の今までにかけて、貴金属の中で最も良くないパフォーマンスであったが、これがずっと続くとは考えていない。悪いニュースはここまでの下げで織り込み済みであり、今年はこれまでに積み重なった鉱山投資への消極的な姿勢が、生産数量に影響を与えてくることによって、今年は供給不足になると予想する」と言っています。

プラチナ業界(特に投資に関して)のロビーグループであるWPICは今年のプラチナの供給は2%減って7.73mio toz(約240トン)になると予想、スクラップからの回収も減少する(6%減って1.76mio toz)(約55トン)と予想しています。この供給に対して、需要は7.795mio toz(約242トン)と予想されています。

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この二つの相反する需給予想に対する、マーケット参加者の態度も様々です。欧州のディーゼル自動車の不調とそこから出てくるリサイクルのプラチナによる弱気を語る人がいると思えば、JP Morganのテクニカルアナリストは、少なくともプラチナは1050ドルまで上昇すると、「buy platinum」の買い推奨を出す、といった具合です。

 これだけ見方が大きく違ったプラチナウィークは初めてです。僕もTocom Breakfastにて僕の見方を披露しましたが、それはまた別の機会に!

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