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池水雄一の「ゴールドディーリングのすべて3」

シルバー上昇の可能性

(ドル建てシルバー5年)

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 (円建てシルバー5年)

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 (金銀価格比)

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 シルバーが低迷しています。しかし、ゴールドの1200ドルと同様、15ドルは大底になりそうな気がします。とすれば、まさに今のこのシルバーの低迷は長期的には拾いどころかもしれません。

「鉱山供給」

 世界で5 番目のシルバーの生産国であるチリでは、その生産量が昨年同期と比べて、なんと32%も減少しています。2014年がピークで1680トンという最大の鉱山生産量となったのですが、2017年にはその生産が減少、1240トンとなっています。チリの鉱山省からの発表によると、今年5月の生産量は昨年5月の141.9トンに対して、97.1トンと大きく減少したということです。

この原因はEscondida銅鉱山というシルバーが大量に副産物として出る鉱山の組合ストライキが上げられていますが、それでもこの鉱山が半年に生産するシルバーは38トンで、170トンという減少全体から考えるとほんの一部でしかありません。同省の数字では、2016年の前半(1-5月)のシルバー生産は655トンであったものが、今年2017年の同期は485トンと、約26%の生産量減少となっています。

これはチリに限った話ではなく、今年前半1~4月の生産量を世界1位から3位までの生産国で見てみると、メキシコが前年比3%の減少、ペルーも3%減少、オーストラリアは5%の減少です。世界のシルバー生産は減少の傾向を見せています。鉱山生産が今年も減ると2年連続の減少となります。世界のシルバー生産は2015年に史上最高値(27,708トン)をつけ、徐々に減りつつあるようです。このまま今年も減少が続き、2~3%の生産量が減るならば、世界の供給量は26,500~26,900トンくらいになりそうです。

(世界のシルバー鉱山生産の推移:World Silver Survey 2017より)

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(世界のシルバー生産国ランキング)

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 「投資家ポジションと金銀比価」

 生産が減少傾向である一方、Nymexの投資家ポジションは、ほぼ2年振りに一時ネットショート(投資家の売り越し)という場面がありました。投資家はシルバーに対して弱気、もしくは無関心ということであり、それが現在のシルバーマーケットの弱気の原因にもなっています。ゴールドに対する比価、金銀比価はほぼ76:1と過去10年の平均63:1を大きく上回り、シルバーの割安さが目立っています。過去30年の間、金銀比価が80:1を上回ったのは3回しかありません。そして、その3回ともその後シルバーは大きく急騰しています。

投資家がショートである(これは一週間で解消されましたが)、もしくはほとんどフラット(ロングでもショートでもない状態)が続いているということは、これ以上に売りが出ることは考えづらい状況で、逆にショートはカバー、またフラットだと新規買いとして動きやすいということが言えます。「売られ過ぎ」ているという状況は最も「買われやすい」という状況でもあるのです。

(Nymex投資家ポジションとシルバー価格)

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(金銀比価:過去10年)

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「好調な現物需要」

 この価格の低迷により、主に工業用の実需は好調です。特に太陽光発電用のパネルに使われるシルバーペーストの材料として需要が非常に旺盛です。少なくともアジアでは、完全に需要が供給を上回っている状況が続いており、現在の15~16ドルというシルバーの価格レベルは彼ら需要家にとって非常に魅力的なレベルなようです。

減少しつつある供給、投資家のポジションが非常に身軽なこと、ゴールドに対して圧倒的に割安であること、そして現物需要が強いことを考えると、このレベルはやはり底値、そしてシルバーがここから上昇する可能性は高いと考えられるのではないでしょうか?他の投資家が見向きもしない今だからこそ、そこにチャンスがあると考えます。