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池水雄一の「ゴールドディーリングのすべて3」

中央銀行のゴールドを巡る現状

中央銀行のゴールド購入は地味ですが堅調に続いています。その中心はロシア。この国は毎月10トン以上を継続して買い続けており、外貨準備におけるゴールドの割合も、10年前は5%に満たなかったものが、現在は17%までその比率が高まっていますが、まだまだ買い続けているようです。ルーブル暴落の際も最後の砦となったのは、ゴールド準備であったのではないかと思います。ロシアはおそらくそれがよく分かっているのでしょうね。

(中央銀行のゴールド購入量)
20170913-1

7月の中央銀行のゴールドの購買量は引き続きおとなしいものだったようです。 Metals Focus社の計算によると、年初から6月末までの今年前半の中央銀行のゴールド購入量は177トンで、前年比で3%の減少になります。

国別では最も大量に買っているのはやはりロシアで、この流れは2015年、2016年の流れを引き継いでいます。今年前半も101トン買った後、7月も14トンを購入しています。同時期にカザフスタンをはじめとするCIS各国も控えめながら購入を続けています。

最近の動きで特筆に値するのがトルコです。最近の統計を見ていると2011年後半からトルコのゴールドの保有量が大きく増えていますが、その原因になるのは商業銀行が彼らの中央銀行への預金準備の一部をゴールドで納めていたからです。Metals Focusはそれ故、その数量はトルコの中央銀行によるゴールド購入には含めず外していました。しかし、今年の第2四半期以降、トルコ中央銀行は純粋にゴールドの購入を始め、この期間の購入は21トンとなっています。

このトルコ中央銀行のゴールド買いは、今年に入ってからの中国の中央銀行(PBOC)の買いの不在をある程度相殺する形になっています。2016年10月から中国人民銀行によるゴールド買いはほとんどゼロであり、2016年上半期の61トンを最後にその買いはストップしているのです。このPBOCの買いのストップは、人民元の安定化を進めることへのプレッシャーと、2015年から買い続けたことによって上昇した外貨準備におけるゴールドの割合、そして昨年後半に実現した人民元のSDR(Special Drawig Rights)への組み入れという3つの要因があると考えられます。

今後の中央銀行セクターのゴールド購入は堅調なペースで進みそうです。今年一年の合計は350トン程度になることが予想され、ロシアが国内鉱山で採掘された物を買うことによって、やはり圧倒的な購入シェアとなりそうです。対照的に中国人民銀行はしばらくはゴールドの購入を再開しそうにありません。中長期には資産の分散という観点からのゴールド購入はもちろんあるでしょうが。その他の新興国による買いは堅実に続くでしょう。そして、売却サイドを見てみると、歴史的に低いレベルにとどまりそうです。まだまだ中央銀行はゴールドに関しては買いサイドにとどまるでしょう。

(中央銀行のゴールド購入量)
20170913-2