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池水雄一の「ゴールドディーリングのすべて3」

EVがコモディティに与える巨大なインパクト

スイス最大の銀行であるUBSが非常に興味深いレポートを発表したので、今回はそれを紹介しましょう。

UBSが最近、走行距離が320km以上で世界最初のEV大衆車であるシボレーボルトを解体しました。そして、そこからEVが増加した時にコモディティの需要、特に電池に使われる材料の需要がどのように変わるのかを計算しました。

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さて、上のグラフはもし世界の自動車が100%EVに置き換わったらコモディティの需要がどう変わるかという仮定です。
基本的に最も需要が伸びるのがやはり電池に使う材料であるレアメタルやレアアース(希土類と呼ばれる物)です。リチウム電池のリチウムは2898%!、コバルトは1928%、レアアースは655%と極端な単位でその需要が爆発すると予想されています。既にこれらの相場は上昇していますが、現在1%にも満たないEVが100%になるという仮定ですから、大幅に需要が伸びるのは当たり前と言えば当たり前ですね。
それに比べてPGMは-53%と現在の全需要の半分が無くなるという予想です。プラチナの40%近く、パラジウムの70%が自動車触媒需要であることを考えるとこれもまた当然な数字でしょう。
既にこういったEV関連物を投資対象にしたファンドもあるようですね。

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「鉄」 電池の重量を軽減するために、アルミが鉄の代替となる。

「PGMs」 EV化によって最も影響を受けるのがPGM。必要なくなるから。

「ニッケル」 電極に使われ、ニッケルの需要は倍以上になる可能性がある。

「リチウム・コバルト」 100%EVの世界では、これらの金属は必要不可欠。より良いサプライチェーンが必要になる。

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現在EVの占める割合は1%に届くかどうかのレベルです。これが2桁になるまではまだまだ年数がかかると思われます。世界中のサプライチェーンは内燃機関エンジンのために出来ているからです。
ただこの仮定からの計算は少なくとも興味深いものだと言えるでしょう。最近の研究では、2030年に16%、2040年には51%という予想も出ています。
しかし、実際にEVの占める割合が100%にそう簡単になるとは思えません。このUBSの仮定は少なくとも興味深いものですが、実際にそうなるとしてもまだまだ先の話です。ただこれは身近な自動車の話であり、各個人が自動車の今後を考えることは、これからの相場、世界の動きを考える上では良いテーマだと言えるでしょう。