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OPEC総会でサプライズがなくても手仕舞い売りが出ない原油市場

注目されていた11月30日OPEC総会。
OPECとロシアなどOPEC非加盟の主な産油国は
「2018年3月までとしている現行の減産期限を9カ月延ばすことを決定」
18年末までの生産量抑制で足並みをそろえることで合意しました。

トレーダーでなければ

「減産延長されるんだ。じゃあ、原油はまだ下がらないね。
 というか、いいニュースだからまだ原油があがるかもしれないんじゃない?」
  
と考えるかもしれません。

実際、原油価格はOPEC総会後、大きく下がってはいません。
むしろちょっと上がりました。

しかし、トレーダーならこう考えます。

「減産延長9か月は随分前から市場のコンセンサスとなっていたので
 驚きでもなんでもない。
 原油先物市場のファンド勢の原油の買い越しポジションは過去最高。
 減産合意の朗報期待で買われてきた原油市場には、手仕舞いの利食い売りが出て
 原油価格は崩れてしまうのではないか」

※先物市場のファンドポジション(CFTC建玉明細)

原油
 
このような値動きとなることを「Sell the Fact(材料出尽くしの売り」と呼びます。

しかし、足元では原油価格は下がっていません。
足元で原油をロングしているファンド勢も原油を手じまいには動いていないようです。

※WTI原油価格

WTI原油

この12月の年末に、、、
クリスマス休暇に入る時期にリスクポジションを持ったままということが
不思議でなりませんが、ともかくWTI原油価格が60ドル代目前にあるにもかかわらず
手仕舞いの動きがでないというのは、更なる高値をターゲットにしている、ということでしょう。

ファンド勢が何を知っているのか、何を材料にしているのかはわかりません。

実はOPECの減産長期化により、需給はかなりタイト化しているという指摘もあります。

エモリキャピタルマネジメントの江守哲氏は
このように解説しています。
http://toyokeizai.net/articles/-/199181

「シンガポール周辺の海上でタンカー貯蔵されている原油在庫の減少も顕著となっているようだ。ここにもOPEC主導の協調減産で原油市場が引き締まっていることが示されている。実際、トムソン・ロイターによると、シンガポール沖とマレーシア西部沖では、巨大タンカー約15隻が3000万バレル余りの原油を貯蔵しているが、タンカー数は6月から半減したという。また、洋上在庫は直近では1500万バレル程度にまで減少しているとみられている。

このように、アジアの石油貿易拠点における海上原油在庫は、OPECやロシアなどによる協調減産に伴い、明らかに減少している。」

その後に続く「先物市場のフォワードカーブ」の記述もプロの視点です。

現在、原油の現物価格が高く、先物市場の価格も現物に近い「期近限月」の価格が高いのです。
現物市場の価格が高いというのは、実需がしっかりあり需給がタイトであることの証左。

先物市場では、先物であればあるほど(1年2年先の先々の原油価格の取引)
将来のリスクやそれを保管しておくコストがかかるため高くなる、というのが
教科書的な考え方です。これを順鞘(コンタンゴ)と呼びます。

ところが、この鞘が今逆転しているのです。
これを逆鞘(バックワーデーション)と呼びますが、
先物市場には「逆鞘に売りなし」という格言があります。

つまり、需給は非常に引き締まっており、ファンド勢はしっかりとした需給支えに
更なる原油高もあり得る、と考えているのかもしれません。

期近と期先の価格はこちらのページで確認できます。
https://jp.investing.com/commodities/crude-oil-contracts

wwwwwwwwwwwwwwww

一番上が現物価格。
下に行けばいくほど、決済期限が将来となる先物価格。

2018年1月の先物価格と
さらにその1年後の2019年1月では3ドルも価格差が、
その先の今から2年後の2020年1月では5ドルもの価格差がありますね。

OPEC総会を経過してい弁と通過後も尚、手仕舞いがでないということは
相場はかなり強いのかもしれません。
その支えは需給という商品投資の王道の材料にあるのかもしれません。

となると、年末だからといってカレンダー的にファンドの手仕舞いを期待して
ショートすると痛い目に合う可能性が。

ひょっとすると60ドルを超えて70ドルの世界というシナリオ修正が必要かな、
と思っています。