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妙味薄となったゴールドとプラチナのアービトラージ

すっかりレンジ入りしてしまったプラチナ相場。

時々1000ドルの大台を超え、いよいよ価格修正のトレンド入りかと期待させるような
ところまで短期的な上昇トレンドを形成するのですが、
いつも1000ドルの大台維持には失敗してしまいます。

※ドル建てプラチナ日足
プラチナ日足

リーマンショック前の世界好景気、世界株高時代には2300ドルまで高値があったのですが

もうそれも10年も前の話。その当時はEV自動車などという新技術もなければ
ディーゼル車の排ガス不正も表面化していませんでしたから、
プラチナ価格急落は、リーマンショックという未曽有の金融危機による
一時的な下落だと思われていました。

※ドル建てプラチナ月足

プラチナ月足

しかし、フォルクスワーゲン車の排ガス不正発覚をきっかけに
名だたるディーゼル車メーカーの不正が次々に発覚し、
ディーゼルエンジンのブランドイメージは著しく低下。
メーカーらはディーゼル車生産を縮小する代わりに
EV車生産を増やす流れに時代が変わってしまいました。

プラチナはディーゼルエンジン車の排ガス浄化の触媒需要が大きい金属であり、
EV自動車にはプラチナ触媒は全く必要ないですから、この一連の流れは
将来的なプラチナ需要後退の思惑を強めてしまっており、価格が長期低迷する結果に。

しかし、世界のプラチナの年間供給量は約200トン。この量は金の約1/20しかありません。

また有史以来のプラチナ総生産量は推定約5,100トンで、金の約1/30の量しかないのです。

この数字だけを見れば、その希少性からプラチナ価格の方が高いというのが自然に思えますが、、、、
(実際、リーマンショック後の一時的な期間を除いては基本的にはプラチナ価格の方が
金価格を上回っていました)
フォルクスワーゲンの排ガス不正問題以降は、プラチナ価格が金価格を下回ってしまい
これが常態化してしまいました。。。。

※プラチナ(青)とゴールド(オレンジ)価格比較チャート

ぷらゴールド比較
このプラチナとゴールド価格の逆転現象が、排ガス不正問題前の
プラチナ高の状態に戻ることはあるでしょうか。
そもそもの希少性が見直され価格に織り込まれることはないのでしょうか。

多分、、、、当分は難しいと思われます。
なぜなら、今、プラチナとゴールドの相関が高いからです。

まずはこれを見てください。

※プラチナと銅価格の値動き比較

プラチナと同価格相関

オレンジ色が銅価格、青がプラチナ価格です。
2011年くらいからのプラチナと銅価格の値動きを比較したチャートです。
先ほどのプラチナとゴールドのチャートは絶対価格の比較でしたが
こちらは、パーセント比較。

2016年くらいまでは本当にきれいに相関して動いていました。

銅が上がればプラチナ価格も上がり、銅が下がればプラチナも下がる。
どちらかというと銅価格が先行して動いていたようです。

ところが、2016年以降、銅価格が上がってもプラチナがついてこなくなりました。
相関が切れてしまったのです。

時期的にディーゼルエンジン車の排ガス不正問題が大きく影響しているとみていいでしょう。
銅価格は、中国需要とトランプ大統領の巨額の公共投資期待で2017年夏から
上昇が加速していますが、プラチナはこれに全く反応していません。

銅価格はドクターカッパーと呼ばれ、景気の先行きを占うコモディティとして
投資からに先行指標としてウォッチされています。
そして、プラチナも自動車販売や、宝飾需要が好調であれば上昇することから
景気敏感銘柄とされてきました。株との相関も高いとされていたのですが、、、

プラチナは景気を映す銘柄ではなくなってしまったのかもしれません・・・。


では、こちらの値動きの相関をご覧ください。

※ゴールドとプラチナの値動き相関

金とプラチナ相関
一番最初にあげた絶対価格の比較ではなくて、値動きの相関を見たチャートです。

どうでしょう、ゴールドが上がればプラチナも上がり、
ゴールドが下がればプラチナも下がっていますね。
銅価格との相関が切れてしまったプラチナはゴールドと同じように動いています。

つまり、プラチナとゴールドは現在、相関係数が高いのです。

ワールド・ゴールド・カウンシル調べでは
2002~2005年のプラチナとゴールドの相関係数は0.21程度でしたが
2005~2013年には0.55にまで相関係数が上昇。
2013~現在の相関係数平均は0.62と、さらに上昇してきました。

プラチナとゴールドは相関して動く、、、、ということは
プラチナが上昇しても、金も上昇して逃げていく。

プラチナ独自の買い材料が出てこない限りは、プラチナ独自で上昇することは難しそうです。

南アフリカの通貨ランド上昇などはプラチナ高の材料の一つですが
先般、南アフリカの悪名高きズマ大統領が退陣してランドが大きく上昇しても
プラチナだけが大きく上がるというような相場にはなりませんでした。
このような為替変動などの金融要因では大きな上昇は難しい。
やはりコモディティですから、需給そのものにタイト感が出るような需要増などの
ニュースがないことには、プラチナ独歩高の時代の再来はないでしょう。

ということで、ゴールドとプラチナ。
その鞘が縮小し、逆転することは当分なさそうです。

プラチナロングのゴールドショートといった
鞘縮小を狙った裁定取引は意味がないということです。