インターネット商品先物取引システム「Expert(エキスパート)」| 岡籐商事株式会社

文字サイズ

  • 大きく
  • 標準

2月10日(土)午前6時30分~2月11日(日)午後15時まではメンテナンスのため口座開設を停止します。

飼料用穀物大豆コーン上昇と豚肉価格上昇

大豆、コーンなど穀物相場がしっかりです。

そもそも昨年度産まで5年連続で豊作が続き価格が低迷していたところに、
今年度2018年度の米国大豆、コーンともに作付け面積が減少する見込みと
なっていることが価格上昇の一因。

南米の大豆も干ばつの影響で思うような収穫にならなかったところに
発表されたUSDA米農務省の作付意向面積の数字が価格を押し上げました。

コーン:8802万エーカー(予想8942万エーカーを下回り前年9016万エーカーを214万エーカー下回る)
大 豆:8898万エーカー(予想9105万エーカーを下回り昨年9014万エーカーを116万エーカー下回る)
全小麦:4733万エーカー(予想4629万エーカーを上回り前年4601万エーカーを132万エーカー上回る)

ということで、今年は大豆、コーンに注目かと市場が湧き始めたところに
トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争に報復する形で
4/4中国政府は大豆やコーン、小麦など106品目に25%の関税を上乗せする
新たな対米関税方針を発表したことで穀物市場は乱高下。

※シカゴ大豆

シカゴ大豆

※シカゴコーン

コーン

ただし、このニュースで急落した大豆、コーンは切り返しました。
米中貿易摩擦の行方は気がかりですが、今年は需給への懸念が相場を支えています。
高値圏でもみ合い入りとなっていますが、ここからは作付の進捗率などが材料と
なりますので、毎週火曜のUSDAの作付け進捗率に注目ですが、
最新の23日に発表された内容だと、コーンの種まきが22日時点で5%完了とのこと。
これは、通常のペースより大幅に遅れているという状況です。
ただし来週の天候がよさそうだということで、一気に進むとの期待もあって
足下では材料視されていないようですが、、、。
(大豆の作付けはコーンより後に始まります)

さて、今日は穀物ではなくて、豚肉のお話。

世界最大の豚肉消費国がどこかご存知でしょうか。

中国です。

世界最大の豚肉生産国は中国で2016年の生産量は5184万トン。
世界の豚肉生産量1億1556万トンの約半分を占めています。

世界の半分もの量の豚肉生産を担っている中国ですが、
そのほとんどを自国で消費して、さらに、輸入しています。

どこから?!

豚肉生産の第2位は米国です。

米国の豚肉生産量は1131万トンで、2000年の500万トン強から2倍以上に拡大しました。
なぜそれほど豚肉生産が増えたかというと、、、中国が買ってくれるからですね。


国連食糧農業機関(FAO)によると
2016年の世界豚肉貿易量は約860万㌧

このうち
米国の輸出量248万㌧(シェア29%)
中国の輸入量284万㌧(シェア33%)

米国から中国への輸出が、大きな市場なのです。

中国では食肉の7割近くが豚肉です。

中国政府は自国で豚肉を賄うことを国策としてきたのですが
都市化を進める中国では養豚農場を都市部から郊外へと移動させる
政策がとられたことで2010年頃から足元の需給がタイト化し輸入量が急増
しているのだそうです。

2016年に世界最大の輸入国に躍り出ました。

現在、中国の豚肉の生産地は四川省、河南省、湖南省ですが
2008年4月、四川省が大地震に見舞われたことで、豚肉生産が壊滅的な打撃を受けました。
これで自国での供給がガクンと落ち込んでしまっています。

キャプチャ.PNG豚肉

消費量は伸びているのに、生産量が落ちてますね。
ということで、他国からの輸入に頼らなければ、この需給ギャップを埋められません。

豚

※資料提供 資源食糧問題研究所 柴田明夫氏

地震があった2008年頃から輸入が激増しています。

タイト化する豚肉の安定供給が中国の命題となっているのですが
2013年5月河南省は米豚肉生産大手のスミスフィールド・フーズを
47億ドルで買収する計画を発表しています。

スミスフィールドは養豚から加工販売まで一貫して手掛けており
中国はこれで豚肉の安定的な供給ルートを確保できることとなりますが、
それでも、中国のすべての豚肉需要を賄えるわけではありません。
豚肉の安定供給供給のために中国も苦心していることがうかがえる、という話です。

中国の食品価格がCPIに占める割合は30%を超えているんです。
しかも、そのうり豚肉が20%を占めるとされており、
中国のCPIってピッグ指数とも呼ばれているとか。

つまり、豚肉価格の高騰は中国のインフレに直結するということ。
食品インフレから消費者の不満が高まると社会が不安定化するリスク。
中国当局は食品のインフレは何としても避けたいと思われます。

そして、その豚肉価格を左右するのは
養豚経営の生産コストの中で大部分を占める飼料価格だったりもします。

ここ5年は米国産穀物が豊作続きでしたので価格は安価に放置されており、
飼料価格による豚肉のインフレ懸念は大きくなかったのですが
昨年秋から大豆、トウモロコシ価格は上昇トレンド入りしています。

安価放置で農家の生産意欲が落ちてしまったのか
今年の作付意向面積は、大豆、コーン共に減少していますし、
米中貿易摩擦で、本当に高い関税かけることとなるのか、
中国は安定的に大豆、そして豚肉を確保できるのか、大きな問題なのです。

対米最強の武器にジレンマ 中国、大豆輸入制限なら豚肉高騰も (1/2ページ)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180222/mcb1802220500012-n1.htm

うした背景から、現実には貿易戦争になど持ち込めるはずがない、
あれば2国間のパフォーマンスだとの見方もあるのですが、、、。

今年は金利上昇とインフレがテーマとなると指摘されていますが
その影響で景気に悪影響が及ぶというシナリオも。
貿易摩擦、豚肉、穀物価格上昇は中国経済には打撃となることは覚えておきたいですね。