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ICBC Standard Bank Commodities Quarterly July 2015

Standard Bank時代から続いているコモディティ四季報、今年もまた発行されました。貴金属専門アナリストがいなくなり、ベースメタルの担当のアナリストが今号は中心になってやったので、貴金属は少しついで感が強くなっています。アルミから始まって、ゴールドが一番最後の項でした。(笑)ただ新しい貴金属アナリストが先日入ったので次回からは期待できると思います。さて、それではまずゴールドから紹介したいと思います。

「貴金属相場予想」

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「ゴールドしばらくは下落基調」

ゴールドはある人にとっては通貨であったり、宗教であったりします。我々はゴールドを資金の避難先と考えます。恐怖がマーケットを支配していたり、何をどうしたらよいかわからないような状況の時の資金逃避先なのです。2015年下半期を迎えてゴールドは弱気相場が続くと考えます。それは下記のようなゴールドにとってよくない経済情勢という背景があるからです。

・続くドル高

・米経済のマクロ的環境:今年中のFRBによる利上げ観測が強まる。

・原油価格は頭が重たく、米国のインフレはこの先もきわめて低く推移するであろう。エネルギー情報局(EIA)によれば、イランの原油が再び世界市場に出てくればEIAの予想よりも原油価格はさらにバレル当たり5ドルから15ドル下落する可能性がある。

・ 実需の欠落:投資家は今年後半にFRBが金利を上げるとの予想があるために、まだ現物のゴールドを買うことに対して消極的。今年ここまでのGold ETFに対する投資は中立的。WGC(World Gold Council)のレポートによると投資需要は2014年第4四半期から2015年第1四半期へ、19%の減少となっています。インドの経済が持ち直してきたのはゴールドにとっては好材料。今年の最初の4ヶ月はインドのゴールド輸入は増加し、2013年913トンを輸入したときとほぼ同じペースでの輸入となりました。(2014年は784トン)同じく中国に関しては、第1四半期はゴールドの需要は減少し、投資家は株式市場へと流れました。しかし、その流れは逆流しつつあり、WGCは一年間の需要は3%増加し1000トンになるとみています。しかしながら株価急落により投資家は傷つき、WGCの楽観的な予想がその通りになるとは我々は考えません。また中国人民銀行のゴールド購入量(6年で約600トン)はマーケットに失望を与えました。

(ゴールド価格予想:Standard Bank (SB)、Bloomberg(BBG))

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(Comex Gold 投資家ポジションの推移)

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PBOC の保有ゴールド増加の発表」

そのPBOC(中国人民銀行)の保有ゴールドは2009年の前回発表から604トン増えて1658トンになりました。これにより中国のゴールド保有高順位は一つ上がってロシアと入れ替わり世界6位となりました。

しかしながら、欧州の先進国(フランス2435トン、イタリア2452トン、ドイツ3391トン)、IMF、そして米国と較べるとまだまだその量は少ないといえます。

2009年からPBOCが買ったとされる604トンが果たして、いつ、どこからどのように買われたのかはわかりませんが、おそらくはほとんどが国内で生産されたものからの購入だと思われます。中国の月間の平均ゴールド生産が36トン前後であり、6年間毎月10トン以下の購入とすればちょうどさもありなんという感じの数字だと言えます。マーケットは3000トンを超えるようなもっと大きな数字を予想していただけに、この1658トンというのは失望の数字となりました。

 

1658トン=53.31 mill oz は米ドルにして$6.1billion (61億ドル)です。中国の外貨準備高が現在$3.69 trillion(3.69兆ドル)。ということは、ゴールドが外貨準備に占める割合はわずか1.66%に過ぎません。この数字は前回2009年の1054トン、ゴールドが930ドル、外貨準備が2兆ドルだったときの割合よりも低くなっているということになります。

 

他の中央銀行が過去やろうとしたように、PBOCが外貨準備におけるゴールドの割合に一定の目標を定めることはほぼ不可能です。ゴールドのマーケットにはそれだけの流動性が存在しないからです。PBOCがこうやってゴールドを買い増していると発表したこと自体は歓迎すべきことですが、その増加の数字はマーケットにとっては強気材料とはなりません。

 

「長期的見通しはほんのり明るい」

インドの需要は増えているものの、やはり中国の需要が需給のバランスを握るカギだと考えます。中国の需要は、投資、宝飾という面での成長は続き、現在までは残念な結果のPBOCのゴールド購入は今後も続き、その結果として起こってくるゴールドの供給不足は価格のサポートになるでしょう。

そしてまた、原油価格の下落は、インフレ議論を押え込み、中国やインドの人々の可処分所得を増やすでしょう。株式市場の急落が落ち着けば、中国文化的なゴールド地金や宝飾品の買いは再び勢いを増してくると予想します。

我々の供給不足の予想は、中央銀行の買いの減少とETFからの売り、そして増加するスクラップからの供給によって中長期的には部分的に埋められる可能性があります。しかしながら、やはり2016年および2017年には平均価格1275ドルと1375ドルという強気の予想は変わらずです。

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