
米株下落でも原油が急上昇したわけ
3月中旬から、ダウ平均と原油の相関が切れて逆相関関係に入っています。
※ダウ平均と原油 (ろうそく足がダウ、オレンジが原油)
これまで米株と綺麗に相関してきたのに、なぜ足下の株価下落にも原油はさがらないのでしょう。
理由は、、、
①3月18日、サウジアラビア国防相を務めるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、
イランが原子爆弾を手にした場合、サウジアラビアは即座に軍事的構成要素を伴う
自国の核計画を開始すると述べた。
②3月19日、サウジアラビアののジュベイル外相が、イランが米欧など6カ国と
2015年に結んだ核合意について「不完全だ」との見解を表明。
③3月20日、トランプ米大統領がサウジのムハンマド皇太子と会談、
イランの核開発を制限する欧米6カ国と同国との核合意について協議した模様で
「米国が核合意を破棄する可能性が高まった」
「米国とサウジは対イランの強硬姿勢を確認し合った」との観測が広がる。
地政学リスクの高まりによるリスクプレミアムが乗った格好でしょうか。
イラン核合意=イランの核開発を問題視した国際的な取り決め。
2015年7月、一昨年7月、米英仏独露中の6か国とイランが合意した取り決めです。
2016年1月履行。
核兵器に転用できる高濃縮ウランなどの製造を最大15年に渡って制限するもので、
その見返りとして、欧米と国連はイランへの経済制裁を解除。
トランプ大統領は「イランは軍事施設の査察を拒否し、ミサイル開発を続けている」と
発言を続けてきましたが、大統領選で掲げた公約でもあります。
トランプ大統領って公約を粛々と実行しているんですよね。。。
減税、通商交渉、イスラエル大使館のエルサレム移転などなど、、、
特に足下では対中貿易関税賦課がマーケットを揺るがしていますね。
米政府が議会に対イラン制裁再開の是非を報告する次の期限は5月12日。
独コメルツ銀行は3月23日リポートで
「(米政府が)制裁を再開する可能性が高い」との見方を示しています。
制裁が再開されれば、経済にはどのような影響が出てくるでしょうか。
まず、イランとの原油取引が制限されます。イランは原油を売れなくなりますね。
また、それでもイランから原油を輸入を続けるとなると、米国での経済活動が制限される可能性も。
つまり、米国と様々な取引がある国は、イランとの原油取引の中断も余儀なくされるということ。
イラン産原油のアジアの最大の顧客は、中国とインドで、
ヨーロッパでは、トルコとイタリアだそうです。
http://parstoday.com/ja/news/iran-i40979
これ、原油価格には大きな影響が及ぶリスクですよね。
だって、イランって原油生産量第4位の大国ですよ。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/crude_much.html
それにしても5月はいろいろリスクが集中しますねぇ。。。。
米朝首脳会談は5月までに実施されると報道されていますが、
その調整のための動きでしょうか。北朝鮮の金正恩氏が中国へ。
習近平氏とどのような話をしたのかわかりませんが、
着々と5月の米朝首脳会談に向けての準備が進められている模様。
しかし、、、、
米海軍の病院船マーシーが6月に東京港に寄港
http://www.sankei.com/premium/news/180319/prm1803190007-n1.html
~首脳会談自体が撤回され、または開催されても決裂すれば、
6月のマーシーの出番となる…
観測記事ですが、マーシーが東京湾に寄港することは事実のようです。
米国から北朝鮮にものすごい圧力がかけられていますが、
今回の訪中は、いかに米国に対峙するかの戦略を練っているものと推測され、
日本が森友で時間を費やしている間に、世界は大きく動いています。
それから今年は、イスラエル建国70周年。
今年5月に在イスラエル米大使館をエルサレムに移転する計画を進めている米国。
トランプ大統領はエルサレム訪問も検討していると述べています。
パレスチナ側の猛反発は必至。
足下では、前回高値で面合わせ下落に転じており、Wトップにも見えますが
状況的には、原油価格が大崩れとなって下落トレンド入りするとは思えません・・・。
※WTI原油日足
60ドル台前半までの調整はあるかもしれませんが、
押し目は拾って行く戦略で。
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※バフェットの予告 ~100 年後の NY ダウは 100万ドル?!
100 年後2117 年NY ダウが 100 万ドルに到達するには?
平均で年率〇 %の上昇、これは現実的でしょうか?!
その可能性の裏にある米国の強さとマーケットサイクル
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