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どうしても原油価格を下げさせたいトランプ政権

原油価格が下落を始めました。
16日、WTI原油期近8月物は前週末比▲2.95ドル(4.2%)68.06ドル。
70ドル大台を割り込んできています。

原油
ここにきて原油弱気材料が噴出していますので整理してみます。

①7月OPEC月報で6月OPEC生産量は増加(11日)

OPEC加盟15カ国の6月の原油生産高は、
前月比0.5%増の日量3232万7千バレルとなったことが明らかに。
サウジアラビアが4%増の日量1042万バレルを生産したことが主因。

増産に踏み切ったことが明らかになる一方で月報の中でOPECは
消費が減速するため来年の原油需要は減少するとの見通しを示しました。

OPECは2019年のOPEC産原油の需要は日量3218万バレルになるとし、
18年から同76万バレル減少すると予想しています。

需給が緩むということですから原油売り。


②リビア石油輸出港の操業再開(12日)

リビアの石油生産施設は反対勢力によって抑圧された状態が続いていましたが
反対勢力は給水施設向け投資を充実させるという約束を政府から取り付けたとし
油田操業、パイプライン閉鎖を開放しました。

リビア国営石油公社(NOC)は12日、
リビア主要油田である「エルシャララ」、「エルフィール」、「ワファ」と
首都トリポリに近いザウィヤ輸出ターミナルを結ぶパイプラインが
稼働を再開したことを発表しています。

これらの油田では合計日量50万バレルの原油を生産しています。
稼働再開前のリビア全体の産出量は日量25万バレルにまで落ち込んでいました。
これが50万バレルに戻るとの見込み。

リビア全体での通常生産能力は日量150万バレル程度。
大幅に下回っている状態が続いていました。

③イラン制裁、それほど厳しいくはない?!(13日)

ムニューシン米財務長官が13日、イランへの経済制裁の一環である同国産原油の輸入停止について
「すぐにゼロにできない場合は例外も検討する」と述べたことが伝わっています。

トランプ政権は、イラン制裁を再開するスタンスで、同盟国に対し11月4日までに
イランからの原油輸入を停止するよう要請しています。これが6月26日。
この報道を受けて原油価格は最高値を更新する上昇を見せていました。

しかし、日本や韓国などはイランからの輸入も多く、国内石油産業への打撃が大きい、、、
ということで、水面下での交渉があったのでしょうか。
例外も検討する、との強硬姿勢緩和に市場が安心した、という恰好。
イランからの供給が完全に途切れることはない、という思惑ですね。

④米国、戦略石油備蓄(SPR)取り崩し検討報道(14日)

まだ正式決定ではないようです。匿名の関係者談、ということで
報道されているんですが、米国はSPRの500万バレルの試験的売却や
3000万バレルの放出などの選択肢を検討している模様。

SPRとは1973年からの第1次石油危機の教訓から
原油の輸入停止や、自然災害、想定外の事故などの際に
原油の純輸入量の90日分を政府が備蓄しておくという制度です。

※過去のSPR放出事例

1991年(湾岸戦争時)1720万バレル、
2000年(世界景気回復とOPEC協調減産効果で原油高)3000万バレル
2005年(ハリケーン「カトリーナ」で製油所被害)1100万バレル、
2011年(リビア政変時)3060万バレル
2017年(ハリケーン「ハービー」450万バレル

※2017年のハービー襲来時のSPR放出時には
2012年アイザック襲来以来のSPR放出と報じられているのですが、
アイザック襲来時はSPR放出が検討されていたものの、
放出された事実を私は確認できていません。
実際にどの程度の量が放出されたのでしょうか・・・??

備蓄を取り崩して市場に放出するのですから、原油価格は下がります。
しかし、SPRは政変や災害など想定外の原油高に対処するためのものです。
トランプ政権が原油価格(正確にはガソリン価格でしょう、米国の消費動向を
占う品目として大変重要)を引き下げたいのは、11月の中間選挙に合わせて、、、
だと考えられますが、そんなことのために市場に介入していいのか、
という問題を孕みますので、これは現実的ではないでしょう。

だからあえて関係者に情報を流させて、価格を冷やしているんだと思います・・・。
・・・ただトランプ大統領のことだから、にっちもさっちもいかない原油高となれば
やっちゃうのかもしれませんけれど。

⑤米ロ首脳会談後、ロシア増産の可能性(16日)

折から原油高阻止のため、サウジに増産要請をしていたトランプ大統領。
おそらくロシアにも増産要請をしたんですね。

プーチン大統領が会談を受けて
「経済のあらゆる分野の活力をそぐ原油高は好ましくなく米ロは協力の余地がある」
と述べました。

⑥米エネルギー情報局(EIA)レポート(16日)

8月の優良シェール鉱区の生産量が増えるとの見通しを示しました。

とまあ、米国は原油価格を下げさせたいんですね~
そして、サウジやロシアがそれに協力するんですね。。。

というのがよくわかる流れです。

政治要因じゃないのはリビアの操業再開くらいじゃない?!

というわけで、米ロ、サウジに逆らって原油を買ってもいいことがなさそう。
しかし、地政学はガラリと変わりそうね。
米ロが手を組む時代です。そして敵国は中国、ドイツでしょうか。

原油価格は下落したとはいえ、まだ高値圏にあります。
ファンドのポジションも高水準、ロングが積み上がったままです。

※CFTC建玉明細 WTI原油 http://trend-line.co.jp/rand/zaiko/cftcdate.htm
原油

もっと言うと、ガソリンのファンドポジションはここ1カ月ほどで
増加傾向に回帰。トランプ大統領はガソリン価格を冷やしたいのが本音かと
思いますので、なぜファンドがガソリンロングを積み上げているのか謎。

※CFTC建玉明細 NYガソリン http://trend-line.co.jp/rand/zaiko/cftcgas.htm
キャプチャ.PNGガソリン
ガソリン、原油は戻り売りスタンスでいいのではないでしょうか。