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2019年商品市場は「ゴールド」飛躍の年に

明けましておめでとうございます。

2018年は原油価格が10月まできれいな上昇トレンドを形成してきましたが
10月以降大暴落に見舞われる急展開。

プラチナは2015年ドイツの排ガス不正問題から死に体となっており
ゴールドも米国利上げサイクルにある中でさえない展開を強いられてきました。

中国の失速と、米ドル高でコモディティ市況は下落基調を強める展開でしたが
2019年はどうなるでしょうか。

2019年は中国の政治と経済動向が世界経済に及ぼす影響がカギかと思いますが、
中国の命運は米国によって翻弄されているため、米国の出方がポイント。

トランプ大統領が票田稼ぎで米中貿易問題を利用しているとの指摘もありますが、
米議会もた中国からの米投資制限に踏み切っていますし、
ウイグル人弾圧の非難へと人権問題にまで踏み込んできたことを考えると
対中圧力は米国そのものであり、万が一トランプ大統領が失脚しても変わらないと思います。

トランプ大統領は米経済、特に株価への悪影響を最小限にすることを模索するでしょうから
むしろ、トランプ大統領のほうが中国に対してハト派的となるやもしれません。

この記事の2019年商品展望もほぼ中国がキーワード。

2019年国際商品展望 非鉄・原油、中国減速に懸念
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39667160U9A100C1QM8000/

上記記事ポイント

銅・中国が最大需要国だが1月3日1年半ぶりの安値。1年で20%安。
  中国がだめなら銅もダメ。

WTI原油:中国需要減が顕著となれば資金引き上げリスクも?

大豆:18年7月、米国産に25%の報復関税を課し中国向け輸出減で下落も
 12月米中首脳会談後の輸入再開で回復基調へ?中国の輸入動向がカギ。
 
ゴム:中国の自動車販売低下でゴムも低迷

ということで、
コモディティ需給で世界一の需要大国となった中国動向が最大のテーマ。

米中貿易摩擦の影響がなくても、過剰投資、過剰在庫の歪みを是正するための
引き締め策によって中国の景気は失速傾向にありました。
中国政府はGDP成長を6.5%としていますが、この数字を額面通りに信用する向きは
多くありません。中国内部からも疑問の声が上がっています。

中国人民大学の学者が講演、GDP実質マイナス成長と言及 「データを見てハラハラ」
https://www.epochtimes.jp/2018/12/38781.html

ということで、2019年新年早々、中国はてこ入れ策を発表。

4日、中国人民銀、預金準備率を1ポイント引き下げへ-景気てこ入れ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-04/PKSWLQ6K50XX01
預金準備率を15日に0.5ポイント、25日にさらに0.5ポイント引き下げる
により正味で8000億元(約12兆5900億円)の流動性が供給される。

この効果がどれほど持続するか分かりませんが、短期的に原油や銅などの
コモディティ価格が反発する可能性はあります。
それでも、実需が喚起されての上昇ではないでしょうから、
あくまでショートカバーによる反発でしょう。
過剰在庫が解消したわけではありませんから…・。

また、国際商品価格は基軸通貨ドルとの逆相関ですので、
米国の金融政策によっては反発する局面もあるかもしれません。

米国の政策金利は2019年も3~4回の利上げを見込んでいたはずですが
2018年12月のFOMCでは2回にトーンダウン、年末年始の株価暴落で
パウエルFRB議長は、利上げの一時停止やバランスシート縮小の見直しに言及しました。

FRBの使命は雇用確保とインフレの安定ですが、やはり株価も無視できないってことです。

先週末4日に、金融政策の見直しを公言したことで米株は猛烈に反騰。
プラチナなどコモディティ市況も軒並み反発に転じました。

ただ、これも金融面からの価格修正にすぎないので、
需要増による商品としての価格上昇とは異なります。
これまでのドル高が修正されることがあれば、コモディティ安が修正されるだけのこと。

2019年本格的なコモディティ市況の反発上昇が期待できるということではありません。

イメージとしては、1990年代の上値抵抗であった205レベルが抵抗ラインとなり反落。
結局は中国の失速と米国のリセッション時期が近づいていることもあって
コモディティ価格の下落トレンドが再開しそうです…。

※CRBインデックスのトレンド検証 2019年反発があっても、、、

CRBインデックス
ただし、期待できるのがゴールド。

教科書的に株式市場と相関関係にあるとされるゴールドは、
2011年に1920ドルの高値を付けてからこれを超えられずにいますが、
この間、史上最高値を更新し続けてきた米株市況と比較してみると
2016年以降は下げ止まりレンジ相場を形成しています。

※ドル建てゴールドとダウ平均比較
g-ルドとダウ

いえ、むしろ、米株が史上最高値更新中ですが、下値は緩やかに切り上がってますね。

株が調子よく上昇し、金利も引き上げられるという逆境にあっても
一定の資金はゴールド市場から流出せず留まっており、下落しきれなかった。
逆相関を材料に積極的にゴールドをショートしてきた向きが
足下では買い戻される過程でジリジリと値を上げ始めたと推測されます。

では、新規マネーが積極的に流入してきたらどうなるでしょうか?!

この三角持ち合いを上抜けして再び上昇トレンドを形成できるかもしれません。

そのための材料は、株の大調整 or FRBによる引き締めから緩和への政策修正。

米国経済は長短金利が(2年債10年債)逆転してから半年~1年ほどでリセッション入りする
との過去の経験則があります。
2018年は3年債と5年債、2年債と5年債の長短金利が逆転してしまいました。
2年債と10年債の利回りはまだ逆転していませんが、金利差は縮小しています。
米国経済はリセッション入りが警戒される、最終局面にあるのです。

2019年は、米国経済の減速を先延ばししようとFRBが政策転換に踏み切る可能性が大きく、
また、不安定化した米国の株価が中国との衝突や、トランプ大統領の政治生命リスクなどで
下落を強めるリスクも否定できません。

その時に資金の受け皿となるのがゴールド市場でしょう。

昨年は投機筋らによる売りが大きくなり、歴史的にも珍しい売り越し状態となったゴールド。
現在はまだポジション買い越し状態へ正常化してからまだ3週しか経過していません。
いえひょっとすると5週になってるかも。

というのも、CFTC建玉明細、米国の一部政府機関のシャットダウンで発表延期なんだそうです。
ですから最新データーは12月18日時点までのもの。
12月25日、そして1月3日時点のポジションデータはいつ発表になるんでしょうか。。。
おそらく、買い越し幅は増加していると思います。

ということで投機筋らはショートを踏まされ、途転を強いられる展開。
このトレンドはまだまだ始まったばかりではないでしょうか。

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