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2019年原油市場を動かす材料は金融要因か

2018年の中国自動車販売、90年代以降初の減少=業界団体
http://u0u0.net/PgEP

とうとう中国の自動車販売も息切れ。
年間の販売台数が減少するのは1990年代以降で初めてとのこと。
中国の景気拡大はいよいよピークアウトした模様です。

2018年10月以降、原油が大暴落した背景には
イラン制裁の形骸化や、米株の急落、
サウジ、ロシア、米国の原油生産量TOP3大国の産油量増加などがありましたが
爆食中国の景気後退への懸念も織り込まれてきた側面もあるでしょう。

ということで、

中国は景気下支えのため、2018年を上回る規模の減税を行う方針を表明。
財政支出を拡大するものとみられますが、
昨年2018年の規模が1兆3,000億元=日本円でおよそ21兆円ですから、
これを超えるものとみられます。


中国はシャドーバンキング問題を抱える中で燻る経済をささえようと
2014年秋にも利下げを行うなどの金融緩和を行いました。
その結果、2015年前半に向けて上海総合指数は空前のバブル的上昇。

※上海総合指数

上海
2015年6月、あまりに上昇した株価は大きく弾けました。
これがチャイナショックですね。
その時も、株を売るなとか売ったら逮捕するとか、
中国市場は大混乱でしたが、これが2015年の世界の株価を押し下げる要因となりました。

だから、あまり派手にバブルを作らないでほしいなぁと思いますが、
昨年21兆円規模の景気対策を行っていたにもかかわらず
上海総合は下落トレンドが続いていたんですよね。
当局によるテコ入れが効果を示さなくなってきている、
ということかもしれません。

中国が今年2019年、当局の景気対策によって
2015年前半のような大復活を見せるのか、失敗に終わるのかは
コモディティ市況にとっても大きなテーマだろうと思います。

足下、原油市況が反発しているのは、株価の反発と歩調を合わせている部分が大きいですが
中国の景気対策を好感して買戻しに拍車がかかっているという指摘も。

※WTI原油先物相場

 WTI

2018年はOPECやロシアの減産や、イラン制裁によるイラン産原油の減産など、
供給サイドからのニュースが価格を支え、10月までの上昇トレンドを形成してきましたが
OPECとロシアが日量120万バレルの減産で合意しても価格が支えられないことから
2019年は、供給サイドではなく、需要サイドの材料が原油市場を支配し上値が重いという見方が大勢です。


ただ、末尾9の年の原油価格ッて年足では上昇する傾向が強いんですって。

まあ、2019年の場合、年初の水準が46ドルですので、年末このレベルより高ければ
プラスはプラスですね。問題はどの程度の高値が期待できるのか。

という時にこんなニュースが。

世界原油市場は2019年中に供給不足に、産油国の減産で=IEA
https://jp.reuters.com/article/oil-iea-2019-idJPKBN1OC17H

IEAの2019年の需要の伸び予想は日量140万バレル。

昨年秋からの原油価格下落でもこの予想を変えていません。
ちなみに2018年よ伸びは日量130万バレル。

11月は世界の原油市場が2019年いっぱい供給過剰状態が続くと予想していましたが
今回のレポートでOPECが減産合意を遵守すれば、第2・四半期までに
供給不足に転じると予想しています。

つまり、2019年も需要ではなく供給サイドのニュースが
原油価格の支援材料となる可能性を示したということ。

ちなみに、カナダ原油も足下大きく反発しているんですが、異例の減産決定も背景。

カナダ原油の8割を生産するアルバータ州政府は12月2日、原油価格と州財政の安定化を図るため、
州内企業に対して2019年1月からの原油とオイルサンドの生産削減を要請しました。

削減量は2018年の生産水準の8.7%減に当たる日量32万5,000万バレルで、
減産は2019年末まで継続される見通しです。

カナダ産重質油であるウェスタン・カナディアン・セレクト(WCS)は、昨年10月からの原油暴落時、
40ドル近くから13 ドル台まで下落。60%もの下落率示現となりました。

カナダから米国へのパイプラインが飽和状態に達していることで輸出が滞っているため、
在庫が急増しているのです。石油在庫は通常の 2 倍近い 3500万バレルに達していたとか。

在庫を正常化するため、アルバータ州は1月から日量 32.5 万バレルの減産に入っています。
在庫正常化の後も日量 9.5 万バレルの減産を2019年末まで続ける方針。

ということで、WCS価格も足下では上昇しています。

OPECプラスの減産で、需給がタイトになることが材料視される相場がくるのか、
それとも、中国はじめ世界の景気後退で需要の伸び鈍化がテーマとなるのか。

もう一つのシナリオとして、米株との相関が強いので、米株がFRBの金融政策の修正によって
大きく上昇する流れとなれば、原油も大きく上がる可能性はあると思っています。

※WTI原油とダウ 相関性が強い。

原油とダウ
となると、結局は金融要因が原油市場に及ぼす影響が大きいということになりますが、、、。

足下では、FRBの利上げ打ち止め観測の台頭で米株が反発していますので、
原油の上昇も金融要因につれ高となっていると言えます。

とうことで、今年の原油相場は、去年のように減産が焦点でもなく、中国の減速がテーマでもなく、
米国の金融政策が主軸となるかもしれません。

意外とみんな弱気になってきたので、Fedの緩和姿勢が明白となってくれば
大幅高があるかも、、、です。