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ゴールド上昇、世界の中央銀行の金買い活発化

ゴールドが強いですね。

※ドル建て金先物日足
ゴールド

2018年8月16日の1160ドルを底値に半年もの上昇トレンドを形成しています。

特に今年2019年に入ってからは、米国FRBのパウエル議長がハト派に転向、
利上げの一時停止とバランスシート縮小ペースの見直しの可能性を示唆したことが、
ゴールド市場にとって一段高をもたらす材料となりました。

これは株式市場にも歓迎されたため、米株も大きく上昇したのですが
株高、金高という「教科書的には逆相関関係」にある資産が
同時に上昇するという「リスクオン相場」によくみられる動きとなっています。

このまま金高は続くでしょうか。

今後の金価格動向を占うカギとなりそうなのが
「足下ではドルとの逆相関が切れて独自の強さを見せている」tこと。

これは、ドル円とドル建てゴールドの比較チャートです。

金とドル円比較
綺麗に逆相関ですね。

ドル円が上昇すると(ドル高になると)ゴールドが下落。
ドル円が下落すると(ドル安になると)ゴールドが上昇しています。

つまり、金価格というのはドルとの逆相関関係の方が
株式との逆相関関係よりも強固だということですが、
(教科書的な値動きで当たり前と言えば当たり前)

足下の動きを見てください。
ドル円が上昇しているのに、つまり、ドル高なのにゴールドは下がりません。
昨年8月からの上昇トレンドは、ドル/円相場が下落していようが上昇していようが
お構いなしで独自の強さを見せてきました。

その背景にはヘッジファンドらのポジションの
記録的ネットショートからの買戻しのパワーもありましたが

※CFTC建玉明細

CFTC
※米政府機関シャットダウンの影響で最新のデータ-はまだ出ていません(笑)
現在1月8日時点までのファンドポジションが明らかになっています。

でもよくよく見ると、ネットロングが安定的に積み上がり始めたのは
11月くらいからなんですよね。
10月くらいまでファンド筋は金を売り越していたんです。

これだけの長期間ゴールドがネットショートとなったのは歴史的事象でした。
これだけ短期筋が売り込んだにもかかわらず、
そして、昨年2018年はドル独歩高の強さを見せた1年であったにもかかわらず、
ゴールド価格は大きく崩れることはありませんでした。


その強さの背景にはなにがあったのでしょう?!

ワールドゴールドカウンシルがまとめた2018年通年の金の需給レポートで明らかになったのが
世界の中央銀行の金買いです。

世界の中央銀行は2018年に公式の金準備に651.5トンを追加しました。
これは記録上2番目に高い年間合計で、2017年と比べるとなんと74%もの増加です。

1971年にドルへの通貨換算が中止されて以来最高水準の年間純購入額なのだそう
これまでもロシア、カザフスタン、トルコ中銀にによる金購入が多かったのですが
2018年は上記の国にポーランド、ハンガリー、インドも加わりました。

変わりに減らされた資産はなんだったのか。

IMF(国際通貨基金)が12月28日公表したデータによると、
世界の外貨準備に占めるドルの割合は2018年第3四半期に61.9%で
約5年ぶりの低水準となったことが明らかにされています。
(通貨ではドルに代わってユーロの割合が約4年ぶりの高水準だった)


つまり、ドル資産が減らされ、ゴールドに換えられたということですね。

そういえば昨年2018年はロシアが米国債を大量売却したことがニュースになっていたっけ。

これは去年6月のニュース。

ロシア:米国債の保有ほぼ半減、金にシフト-制裁のリスク考慮
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-21/PANSTB6K50Y401

すでにこの時点で、売却したドル資産に代わって金を購入していたことが
報じられていたんですね~。

この時点ではその理由はポートフォリオのリバランスにすぎないとされていましたが
ロシアはこの10年で金準備を10倍に増やしているんです。
確固とした戦略があるとみた方がいいでしょう。
米国から制裁を受けていますのでドル資産保有は
リスクが大きいことも背景かと思いますが。

ということで、昨年ファンドが売りに売りまくっても崩れなかった金。

まだまだもみ合い相場なのですが
月足チャートを見ると、綺麗に下値が上昇トレンドラインでサポートされ反発。
下値切り上げ型のもみ合いです。

※ドル建てゴールド月足
ゴールド月足

一目均衡表の雲を見ると、現在雲の中に突入。
乱高下しやすいと思われますので、このまま高値追いでの買いはリスクがありますが
このトレンドラインの下値近辺まで下がる局面があれば絶好の買い場でしょう。
そこまで下がらないかもしれません。
このまま、雲の中でもみ合いが続いたとしても今年10月頃には雲を上に抜けてきます。

今年の秋、、、でしょうか。
ゴールドが覚醒するのは。。。

中央銀行の金買いが加速しているというのは
リセッション入りへの警戒が強まる米経済への不透明感や
地政学的な不確実性の高まりがあげられようかと思います。

こうした超ド級の買い手が、ヘッジファンドなどの短期筋の売りを飲み込み
下値を切り上げてきました。
今年はゴールドが下落することがあれば、コツコツ拾ってみようと思います。