日本フィナンシャルセキュリティーズ

米中貿易摩擦とコモディティ、そして地政学

コモディティ市場は、米中貿易摩擦の影響が色濃く出ていますね。。。

中国が次世代自動車計画に燃料電池車生産増の計画があることで
プラチナ市況が底入れし大きく上昇できるかと思って期待していたんですが、
このテーマは中長期のトレンドを形成するものであって、
短期的には米中、米欧通商交渉による自動車の関税とか数量規制とか、
世界の自動車の販売台数の落ち込み、ってところにフォーカスされちゃってます。

中国自動車販売、4月は前年比‐14.6% 10カ月連続減
https://jp.reuters.com/article/china-car-sales-april-idJPKCN1SJ0KX

次世代自動車も何も、足下で中国の自動車販売は10カ月も減少が続いており
4月などは14.6%もの減少ですって、景気悪すぎじゃない?!
(昨年は1990年代以降で初めて前年割れ)

今の世界経済、次世代自動車とか5Gとかセクター物色で夢を買えるムードにありません。
個別企業では投資できるものもあるのかもしれませんが、
株価インデックスやコモディティなどマクロではリスクがとりにくいですね。

米国今なら米中貿易交渉で勝負に出て株価が落ちても
来年の選挙までにリカバリーできると踏んでいるんでしょう。

大統領サイクルでは3年目が最も株価が上昇するんですが
今回はどうなりますか。。。。
(ただ、2019年1月はスタートが暴落後の低い水準だったので
終わってみれば株高の1年となるのかもしれません)

景気の先行指標、炭鉱のカナリアとされる銅価格もこのチャート

※銅日足
銅

ロシア銘柄であるパラジウムは供給不足で需給要因から
独自の強さを見せていましたが、足下では崩れてきています。
これも自動車販売台数の減少などが影響していると思われます。

※パラジウム
para

同じパ.白金族のパラジウムがこれだけの調整を強いられると
プラチナが独歩高となれるわけがなく、、、同様の調整。

※プラチナ

パラ
ただし、トランプ劇場が効かないのが原油です。

一般論として、貿易摩擦などの影響で景気後退となれば
エネルギー消費が減少するとして原油が下がるリスクと指摘されることが
ありますが、今、原油は地政学のリスクプレミアムが下値を支えています。

原油高(ガソリン高)は自動車社会である米国国民にとって家計負担が大きく
消費を鈍らせるとして、トランプ大統領は産油国に増産を求めていますが
原油価格は崩れてきません。

※WTI原油
原油

これは米国によるイラン再制裁に反発したイランが
ホルムズ海峡を封鎖するなど反発していたのですが、

実際にサウジアラビアが国境を越えて運用する
主要パイプラインに併設されているポンプステーションが
ドローンに攻撃されたため操業停止となっていたり、

ホルムズ海峡近くでUAEとサウジ、ノルウェーのタンカーが
破壊工作されたとか、
(イランが支援している武装組織フーシによるもの)

そしてサウジ主導の連合軍は昨日16日、
「フーシ」の武器庫を空爆する報復に出ています。

武装組織フーシによる破壊活動は
イラン政府からの命令があるのか否か。
イラン政府は否定していますが、
4月、米国のイラン産原油禁輸の制裁再開に反発して
ホルムズ海峡閉鎖などと脅した事実があるので
今回のドローン攻撃を疑われても仕方ないかな。。。

米軍は空母2隻を中東、地中海に派遣しています。

緊張の高まりが原油を押し上げているものとみられます。

実は原油が高くて困るのは輸入国です。
サウジにしても、米国にしても原油生産国であり
輸出国なので原油高は歓迎なんですね。
米国はシェール革命によって石油の純輸出国になっています。

トランプ大統領は4月下旬にOPECに対し増産要請を
行っていますが、原油市場、それほど崩れませんね。

トランプ政権も選挙が近ければ、国内向けには
ガソリン価格を下げさせようとのアピールで
産油国への増産要請、あるいは備蓄を放出するなど
積極的にガソリン価格を下げさせる努力をするだろうと思いますが
今はそのタイミングじゃないですね。
去年の中間選挙前には、そうしたパフォーマンスが
繰り返され、確かに原油は42ドルくらいまでの
大きな下落を強いられました。

次の選挙は来年の大統領選です。
来年の選挙が意識される頃には原油価格を抑え込むと
思われますが、今は米国にとって国力の増大につながる
原油高をむやみに止める必要を感じないですね。

サウジは米国から年間10兆円規模の武器購入をしてくれる
お得意様です。サウジにとって原油下落は困るのです。
米国もサウジも原油価格は高止まりが心地いい、、、、
という政治的なシナリオから、原油の暴落は考えにくいかと思います。


作付けの遅れでシカゴのトウモロコシが上昇しています。

USDAによれば、5月13日時点の主要生産18州の
作付進捗率は30%と、過去5年平均59%の半分。
大豆は9%で、同29%の3分の1です。

近年は農業機械の高速化で、少々晴れ間があれば、
一気に作付作業が進むとしてあまり心配されていませんでしたが
あまりの作付けの遅れに回復不可能となる懸念も出てきたようです。

※シカゴコーン日足

コーン日足
※週足 6年連続の豊作で安値低迷が続いています

shuuashi ko-n

豊作7年にはならず、、、今年もし不作となるようなら
数年ぶりの大相場もあるか?!

ということで、ここからはいよいよ穀物相場が面白い?!
ささやかなサイズでコーンをロングしてみました。

プラチナは米国が中国を本気で潰しにかかりそうなので
次世代自動車計画はテーマから外れそうです…(´;ω;`)