日本フィナンシャルセキュリティーズ

OPECプラス9カ月の減産延長合意にも反応鈍い原油

注目されていたOPECプラスの定例総会。
6月25日の予定が7月1~2日へと延期されたのはG20の結果を
見極めたいとの思惑があったとも指摘されています。
どちらにしても減産を続けなければ、原油は急落した可能性が高かったと思います。

まずは今回の決定。

減産期間:9カ月延長

減産量:日量120万バレル 現状維持
    (OPEC日量80万バレル + 非加盟国日量40万バレル)
    
OPECプラスによる協調減産は、
2017年1月1日から継続されています。

これまでは6か月毎に「協調減産の6か月の延長」を繰り返し合意してきましたが、
今回は「9カ月の延長」ですので、減産期間が3か月伸びています。
この点はサプライズでしょうか。

WTI原油先物価格は一時60.28ドルと期近物として5月下旬以来の高値を示現。

※WTI原油日足
上ヒゲ

ああ、でも上髭示現です。上昇の勢いはありませんね。


そもそも、減産の延長は織り込まれていましたので
むしろ、足並みがそろわず減産延長合意がなければ大きく下げるというのが
コンセンサスでした。原油が今の価格水準を維持できているのは
OPECプラスの協調減産があってこそ、なのです。

だって、米国シェール生産は伸びていく一方なんですもの。

それでようやく、原油の需給はほぼバランスしている状態なのです。

原油の基本需給、そして地政学リスクについては
先週のラジオNIKKEIマーケット・トレンドでも専門家に伺っていますので
よろしければ聞いてみてください。

中東リスクの高まりも需要の先行き不安に冴えぬ原油 (6/26)
http://blog.radionikkei.jp/trend/post_1203.html

日本エネルギー経済研究所・小山氏に聞く原油相場(6/27)
http://blog.radionikkei.jp/trend/post_1204.html

Spotifyでのオンデマンド配信もスタートしています。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

原油の上値の重さは米株と比較すると一目瞭然です。

※上段 ダウ週足  下段 WTI原油週足

ダウ原油相関
昨年10月までは相関が強く、むしろダウの上昇より原油の方が強かった。
高値を次々に更新していたのですが、、、

昨年10月以降、米株も原油も大きな下落に見舞われるのですが
以降の立ち直り局面での強さが全く異なります。

これは、世界景気の先行きへの不安、そして需要の伸びの縮小を警戒するものと
考えています。株は、利下げ期待で金融相場に入っていますね。
業績がついてこないことが明らかとなれば、株も大きく下がると思っていますが
7月のFRBによる利下げ催促期間中には高値を更新するかもしれません。

利下げしたら、知ったら終い、、、じゃないかなぁ。
ダウの上昇にはついて行けなかった原油ですが
ダウの下落には敏感に反応すると思います。

株こそ、景気の先行きを暗示する資産です。
利下げを餌に上昇した歪みの是正は、インパクトが大きくなるのでは…?!

テクニカル的には原油のボラはずいぶん下がっています。
リーマン前後の激しさに比べれば、、、・

※原油長期チャート 77~80ドルが重要なライン。

原油週足
ボラ低下で収束していけば次の波動は大きくなるものですが、
ひょっとしたら、下方向に抜けるかもしれませんね。

中東、イランと米国の小競り合いなど地政学リスクの高まりにも反応鈍く、
協調減産継続でも原油を上昇させるパワーがないのが致命的…。