日本フィナンシャルセキュリティーズ

ランド安懸念も後退で、プラチナ上昇に繋がるか

プラチナ相場が、長年の下落トレンドから立ち直りつつあります。

※ドル建てプラチナチャート

ドル建てプラチナ

ドイツフォルクスワーゲン社の排ガス不正に端を発した
ディーゼルエンジン車のシェア低下がプラチナ需要の先細り警戒に
繋がっていることに加えて、プラチナ最大の生産国である南アフリカの
通貨ランドの下落基調がプラチナの上値を抑え続けてきました。

ところが、今年8月下旬に謎の急騰を見せてから、センチメントが
変わってきたように見えます。
この時、プラチナ市場に独自の買い材料があったわけではありません。
ニッケル市場が急騰していたことにつれ高となったという指摘が
一部にありましたが、この頃からゴールドもシルバーもパラジウムも
上昇を始めてましたので、サヤを埋める動きに伴ってプラチナにも資金が流れてきたのでしょう。

※ゴールド、パラジウム、プラチナ比較 オレンジ色のプラチナだけが安値放置、、、からの~?!
fffs

貴金属全般、特にパラジウムの上昇はプラチナにとってもプラス要因です。

それに加えて、生産国の通貨、南アランドの下落も一服の兆し。

※ドルランド 
 ランド
ん~こうしてみるとただのレンジですが(^-^;

先週、ムーディーズによる格付け見通し引き下げでも
ランドが下がらずむしろ上昇しているってところに注目。


11月1日、大手格付け機関ムーディーズ・インベスターズ・サービスは
南アフリカ国債を投資適格級で最低水準の「Baa3」に据え置きましたが
格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは
南アの格付けを(BBB-に相当する)Baa3としています。
あと一段階下がると投資不適格。

他の主要格付け会社であるS&Pグローバル・レーティングはBB、
フィッチ・レーティングスはBB+と、すでに南アを投資不適格に引き下げています。

ムーディーズがどうするのか、ってことが注目されていましたが、
ジャンク級への引き下げは今回見送りました。

格下げしなかった、ということが好感されたということなのか、
ランド、上がっているんですね。

まあ、格下げリスクを警戒して、
10/30~31にすでに通貨ランドが売られていたので
単純に揺り戻しなのかもしれません。
ただし、ランド安が大きく進む地合いにならなかったことは
プラチナにとってプラスです!

30日の南アの中期財政計画にも注目が集まっていました。
南アは今年度財政赤字のGDP比率が5.9%(従来4.5%)に達する見通しで
あることを示しており、決して財政状況は良くありません。
主力輸出品のプラチナの国際価格低迷と、
過剰な国営企業支援などが主因と指摘されていますが、
その国営企業というのが「国営電力会社エスコム」


エスコムは使途不明金も多く、足下ではおよそ3兆円もの負債を抱えているため
構造改革も必要なのですが、電力設備は老朽化しており
南アの大規模停電は風物詩とされるほど常態化。
これは南ア産業全般に深刻な影響を与えています。
電力がなければプラチナの生産もできませんよね。
ということで、まずは資金援助が急務なのです…。
と言いますか、こんな国営企業がエスコムだけではないみたい(;´・ω・)


エスコムの構造改革は、南アの格付け維持にも影響するものですが
30日発表された財政計画ではエスコムに対する
多額の支援策が盛り込まれました。
 
南ア財務省によると18年度にGDP比で4.2%だった財政赤字は
19年度は5.9%に達する見通し。
20年度からの3年間の平均値は6.2%を見込んでいます。
政府債務のGDP比は19年度が61%で22年度には71%に拡大するとしています。

財政問題は格付けに大きく影響しますが、
年々悪化するという債務拡大見通しが出されたため
発表後、南ア通貨ランドは大きく下落しました。
ところが、ムーディーズが格付けを据え置いたことでランドは急反騰。
下落が続くトレンドからは脱却しているように見えます。


そして、これはドルインデックス。

※DXY  200EMAをサポートできるか?!

200
ユーロの構成比率が高いので、ユーロの動向に大きく左右されやすいのですが
ドルの相対的な強さを見る指標とされています。

FOMCは予防的金利引き下げを発表していますが
どうもドルが頭重く、トップアウトしたようにも見えます。
ブレグジットへの不透明感が払拭されてユーロ、ポンドが
下落トレンドから脱却しつつあるように見えることが
相対的にドル安ムードを強めているのですが、
もし、このドル安が続くようならばランド高です。
プラチナ相場にとっても悪くない話ですね。

南アは世界のプラチナ供給の7割を占めていますが
通貨安は生産国南アフリカにとって、プラチナ高です。

円安で日本の金が高いという相関を考えればわかりやすいかな。

ということはランド安は鉱山会社(生産者)にとっては
高い価格のプラチナを世界に売ることができるというわけで
増産圧力が高まります。
つまりランド安は需給が緩む傾向につながっていくというわけです。

また、当たり前ですが南アの鉱山会社は生産にかかる人件費や電力コストは
ランドですね。ランド高となると、輸出企業にとってはコスト増から
収支悪化につながりますので、今後輸出量が減少するリスクとみることもできます。
つまりこれはプラチナ高材料となります。

生産国の通貨だけがプラチナを動かしているわけじゃありませんので
これはあくまで、そのような側面もある、という程度の話ですが、
過去のランドとプラチナの相関を見ると、無視はできないでしょ。

※ドルランドとドル建てプラチナ比較

プラチナドランド
今後、通貨ランドが上がるのか下がるのか、
プラチナ市場を見るうえで注目してみてください。