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OPEC総会で原油価格はどう動く?!減産枠拡大はあるのか

今週は明日5日から6日のOPECの定例総会に注目。

9月半ばころからの原油の上昇は、
株式市場の上昇に連れた側面もあろうかと思いますが、
OPEC総会に向けて、減産延長決定への期待が下値を支えてきました。

※WTI原油価格  1年前の急落後すっかりレンジ相場、巨大なフラッグ形成中
原油

そして、足下では「減産期間の延長合意」期待だけでなく
「減産量拡大」が焦点となってきました。

原油減産日量160万バレルも
価格下支え狙い拡大協議
https://this.kiji.is/574337351476331617?c=39546741839462401

原油価格はすっかり膠着、
レンジ相場ですが三角持ち合いを形成しているように見えます。

非OPECである産油国ロシアなどを加えた「OPECプラス」は
2019年1月から20年3月まで日量120万バレルの減産を継続することで協調しています。

つまり減産を続けていることで保たれているのが現状の原油価格。
この足並みが揃わねば原油価格が崩れるリスクがあるということね。
IMFもOECDも2020年の世界の景気見通しを下方修正するなか
需要の伸びからの原油高が期待できる局面ではありません。

また国際エネルギー機関によると世界のエネルギー需要に占める石油のシェアは
18年時点で31%。低炭素化の流れの中で40年には28%に減ると予想されています。
風力や太陽光を含めた再生エネルギーは2%から7%に高まる見通しで
企業らは企業イメージを高めるために再生可能エネルギーなどへのシフトに
投資を拡大させています。

ESG投資という概念も広がりつつありますしね。
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/esg_investment.html

要するに脱石油、脱化石燃料の流れです。

環境・社会・ガバナンス(ESG)投資〜資源業界への影響の考察〜
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/688/201901_41a.pdf

英蘭シェルに試練、止まらぬESG売り
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48757580Q9A820C1000000/

というわけで、需要の爆発的伸びが期待できなくなっている環境の中で
供給側、つまり生産調整をすることで原油価格を保つしかないのです。
生産国にとっては原油価格が安くなれば財政悪化につながりますね。
日本のような輸入国にとっては安くてもいいんだけど・・・。

では、減産強化すれば原油価格が上がるんだし、
もっともっと減産すればいいじゃないの、、、と
減産で価格をコントロールできたのは一時代前の話。

OPECプラスが減産を長期継続しているのに
原油価格が大きく上がらない背景には
米国のシェール増産があります。

米国の11月の原油生産量は1,280万㌭/日(10月は1,260万㌭/日)
ちなみにサウジアラビアの10月原油生産量は970万㌭/日です。

2017年の1~10月が 922万㌭/日
2018年が1~10月1,078万㌭/日だったことを見れば
年々米国の原油生産量が増えていることが確認できますね。

2019.11月18日発表の”drilling Productivity Report”によると
米国の主要7つのシェールガス・オイル鉱床の
11月の原油生産量は9,084千㌭/日。
12月には9,133千㌭/日になると予測されています。

つまり、ほとんどがシェールオイルの増産ですね。

さらに、パーミアンの新しいパイプラインの敷設が
シェールオイルの生産レベルを引き上げました。
8月に2本のパイプラインがパーミアンで開通したのです。

※40万㌭/日のEPIC・NGLパイプラインと
 67万㌭/日のCactusⅡパイプライン。

2018年以降、シェール増産にパイプライン整備が追い付かず
ボトルネック状態となっていましたが、インフラが整ったことで
生産したオイルを産地から輸出港へと運ぶことが出来るようになり
これが、米国を70年ぶりに純輸出国へと変えるきっかけともなっています。

米国、70年ぶり石油純輸出国に 9月統計
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52815250Q9A131C1000000/

パーミアン・ベイスン~USGCの新規パイプラインの稼働によって
さらなる米シェール増産が見込めるということでもあります。

こうした中で迎える明日5日からのOPEC総会ですが
本当に減産枠の拡大で合意できるでしょうか。

ロシアのノバクエネルギー相は29日に
減産を延長するかどうか決めるのは4月頃まで待つべきだ
と減産延長、強化に慎重な姿勢を示しており
ロシアの合意が得られるかどうかが焦点。

これはロシアの国内事情があるようで、
ルクオイルなどのロシアの石油会社が28日、
現在の減産合意が来年3月末に期限切れを迎えるまで
ロシアの産油枠を変更しないようエネルギー相に要請したことを
受けた発言とみられます。

減産に協力すれば、増産を続ける米国にシェアを奪われるだけだ、
ということでしょう。

というわけで、減産拡大が決まれば原油価格は一定の上昇が見込めるとは
思いますが、需要の拡大による価格上昇でない限り、
米国の増産によって相殺されることが明らかですので
上昇は長続きしないと思われ、もしOPEC総会での原油価格上昇があれば
そこが絶好の売り場になりそうな予感・・・。

そもそも足並みそろわず、減産拡大も合意できず、
延長合意も4月まで見送りとなれば、原油暴落です。多分。

あ、でも巨大フラッグを終値でしっかり上抜けした場合、
値動きについていくしかありません。
株式市場がそうであるように、金余りのマーケットですので、
トレンドフォロワーはファンダ無視でトレンドについていく方向に
資金を入れてくる可能性もありますね。

サウジもアラムコIPOに向けて原油価格を上げさせたいようですし、、、

サウジ、OPECプラスで協調減産拡大目指す アラムコ上場控え
https://jp.reuters.com/article/oil-opec-idJPL4N28C2B5

ということで、需給から見れば下方向かと思っていますが
巨大フラッグ抜けた方につけ、がここからの戦略かな・・・。