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水素元年、いよいよプラチナは目覚めるか

2020年は水素元年。
日本は世界に先駆け水素社会の実現を目指していますが
東京オリンピックは水素社会実現に大きく貢献するイベントですね。

脱炭素型都市へTOKYOが加速 選手村は水素タウン2019/6/24
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO45367980Y9A520C1L83001/

ということで、水素社会に向けてたくさんのニュースが出てきました。

◆東京オリンピック・パラリンピックでも活躍が期待
日本初の燃料電池バスの大規模受入が可能な水素ステーション
「東京ガス 豊洲水素ステーション」が開所
https://clicccar.com/2020/01/20/948568/

経済産業省、東京都、江東区の担当者が
水素ステーション、水素社会への期待を挨拶~

国家、自治体、民間がタッグを組んで水素社会実現に向けて
動いていることが伺えます。

この記事中に、ホンダといすゞが燃料電池の大型トラックを共同開発
と出てきますが、その記事がこれ。

◆ホンダ、いすゞと水素トラック開発 FCV普及へ弾み
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO54389740U0A110C2MM8000?s=4&fbclid=IwAR1j76l9a0v_1jl9Tr9Tyn1AlZBZZ8DGEGj2Q5ToKpOj70y3UUJHOT8Puqc

・ホンダがFCV技術を社外に提供するのは初めて。
・商用車では発電しながら走るFCVが相性がいいとされている。 
~EVはバッテリーで車重がさらに重くなり充電時間も長くかかる。

そうです、このコモログコラムとして重要なのは次世代自動車としての
FCV(水素自動車)の普及です。

水素自動車、FCVは2014年にトヨタ自動車が世界で初めて「ミライ」発売
2016年、ホンダも「クラリティ フューエルセル」を販売。

ただし、これまでのところ、FCVの普及はインフラやコストが課題で
EV(電気自動車)に大きく後れを取ってきました。

英調査会社IHSマークイットによれば、
2018年EVの世界シェアは約140万台、FCV市場は約4千台。
桁が違います(^-^;

しかし、EVにもバッテリーの重量、劣化、コスト問題が残るだけでなく
その電気を作るためにも火力発電が膨大となれば
そもそもの環境負荷を軽減することにはつながりません。

水素は、再生可能エネルギー(風力、水力、太陽光など)を
用いて水を電気分解し作ればCO2はほとんど発生しません。

化石エネルギーから製造したとしても、
発生するCO2を回収し貯蔵、大気中に排出しない
二酸化炭素回収貯留技術(CCS)も進められています。

ということで、日本だけでなく中国もFCVに注力しはじめた、
というのは、このブログでも過去に取り上げましたね。

昨今のニュースでは

◆韓経:現代車「中国で燃料電池商用車を生産」2020.01.21 09:55
https://japanese.joins.com/JArticle/261713
早ければ2023年から生産可能

◆中国の燃料電池車、高度成長段階に突入 2019年10月30日
https://www.afpbb.com/articles/-/3252048

◆水素燃料電池の実用化、中国各地で発展計画
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/e4192697fec6cd9e.html

そんな中、日本からまた大きなニュース。

◆水素運搬船、次世代エネに道筋 川崎重工が来年度から「豪-神戸」間で実験開始
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200120-00000500-fsi-bus_all

・川崎重工業が世界で初めて開発・製造した水素運搬船が
 豪州から日本へ液化した水素を運搬。
(一連の実証実験には、岩谷産業やJパワー、丸紅が参加)

・運んだ水素を発電所や燃料電池車(FCV)の動力源に

・2隻が1年間、豪州との間を行き来しただけで
 FCV300万台分のエネルギーを賄える計算

・今後、水素の貯蔵タンクなどを取り付け今秋ごろに完成予定

課題はコスト。
港に接岸するまでのコストは太陽光や風力といった
再生可能エネルギーと同じか下回る見通しも、
液化天然ガス(LNG)よりは割高だそうです。


今後運搬船による大量輸送が確立され、世界規模でサプライチェーン
(供給網)が構築されれば、大幅なコストダウンが見込めるとしていますので
世界的なFCV普及によってこのサプライチェーンが強化されることが求められますね。

投資、通貨という意味でもこのニュースで豪州にも注目です。
足下では深刻な森林火災のニュースが痛ましいのですが
資源国ですので、悲観することはありません。

豪州に眠る褐炭と呼ばれる低品位の石炭から水素を製造、
これを液化して日本へ運ぶプロジェクトが動き出しました。

※常温で気体の水素は、そのままだとかさばるので長距離輸送が
できませんでしたが、セ氏マイナス253度まで冷やして液化
することで体積が800分の1に圧縮されるため大量輸送が可能に。
この技術を使った運搬船を川重が製造した、ということですね。

※豪州は有数の石炭埋蔵国で、その多くを褐炭が占める

何故にこんなにFCVニュースを集めたかといいますと、
FCV車にはたくさん使用されるプラチナがいよいよ動き出した可能性が?!

※ドル建てプラチナ価格

pura
1000ドルの大台回復、足下で1000ドル割れちゃってますが
この水準をこなして大台を固められるか?!

一連のFCV関連の記事が影響したわけではないと思います(^-^;

ガソリン車の触媒として使用されるパラジウムの騰勢が
プラチナを引き上げた側面が大きいと思われます。

※ドル建てプラチナ、パラジウム比較

プラパラ比較
この逆転現象は2017年からですが、その差は広がるばかり…。

次世代自動車がEVか、FCVか、ということより先に
2015年にドイツFWはじめ各自動車メーカーの
排ガス規制の不正が発覚してからディーゼル車イメージが著しくDOWN、
各社ディーゼル車の生産を縮小していることが響いています。
もともとのディーゼル車愛用の消費者による買い替え需要も、
まだ高価な次世代自動車ではなくガソリン車が主流のようですね。

ということで、このパラジウム高が白金族としての
プラチナをも引き上げていると思われますが、
さすがに足下でパラジウムは上がりすぎ・・・・。

流動性も低く、値が飛びやすい環境の中でつけたこの高値は
修正を迫られる可能性大。

長期的には圧倒的な供給不足ですので、トレンドは継続すると
見られていますが、パラジウムが大きな価格調整局面を迎えるなら
プラチナもそれにつれ安となる可能性が。

でも今回の調整はいい押し目となるのではないかとみています。

この高値をつかむのではなく、今回の下落からの反転を見極め
長期的なFCVプラチナ需要の伸びに期待したい局面です。

※ちょっと嫌なニュースもあるのですが…。やめて~

三菱自、ドイツで排ガス不正の疑い 検察当局が捜査
http://a.msn.com/01/ja-jp/BBZbzOm?ocid=st