日本フィナンシャルセキュリティーズ

無風通過のWTI原油6月限納会

5月19日WTI原油先物6月限納会は無風通過。

4月20日、5月限納会でまさかのマイナス40.32ドルを示現した原油市場。
新型コロナウイルス問題での需要増が見込めぬ中、
オクラホマ州クッシングの貯蔵能力の限界が近いとして
現受けできぬ向きの投げ売り状態となったのですが
この1ヵ月でクッシング在庫の積み上がりが緩慢となり
貯蔵能力への懸念が大きく後退しました。
クッシング
ただし、これは、在庫総計ではありません。
相変わらずクッシング貯蔵施設のキャパシティの80%超えの状態は
続いていますので、あくまで在庫積み上がりが
予想以上に小さくなったというだけですのでご注意を。

さらに、米国のシェール生産も大きく減産となっており
掘削リグ数はわずか直近2ヶ月で半分以下に減少しています。

これはリーマンショック以来の低水準です。
リグ

米国のシェール生産大手、チェサピークの破たんのニュースもありました。
原油価格低迷でシェール企業の採算も合わなくなったことでの自然減産が起こっています。

また世界最大の原油輸入国である中国の
4月の原油輸入量が前月比16万バレル増の日量984万バレルと
やや回復していることもあって、
6月限納会に向け5月限の再来での急落という2匹目のドジョウ狙いの
ショートの買戻しが旺盛となったための上昇ということでしょう。

スーパーコンタンゴ状態となっていたWTI原油先物市場ですが
6月限と7月限の価格が逆転、バックワーデーション化。

ただし決して、需給がタイトになったわけではありません。
現状の原油価格は、供給側の努力、減産によって支えれらていますが
需要が伸びないことには本格的な価格上昇は見込めないと考えています。

マイナス40ドルから30ドルまで上昇したということは
安値から見ると原油価格は70ドルも上昇したことになりますが
4月限納会の異常事態からマーケットが正常化しただけのことであり
30ドルまで回復した原油価格がさらに上値追いの展開となる可能性は
あまり大きくないと思っています。

6月限納会を通過し、中心限月となる7月限の原油価格は
再び弱含みで推移するかもしれません。

WTI