日本フィナンシャルセキュリティーズ

IMFの金売却に備えよ!むしろゴールド買い好機

2020年、1500ドル台でスタートしたNYゴールド先物市場。
コロナ禍では、換金売りに押され1450ドル台まで急落する局面もありましたが
200EMAで綺麗にサポートされてV字反騰となりました。

現在は1700ドルにまで水準を切り上げ、1700ドルが下値を支える支持線となっています。
2019年以降のゴールド市場はMACDがデッドクロスとなっても
価格調整ではなく日柄調整をこなすにとどまり、
MACDがゴールデンクロスすると弾みがついてレンジをブレイクし上昇する
といったパターンを繰り返しています。
金テクニカル

コロナショックを受け、米国FRBは無制限で何でも買うという金融政策を
打ち出しました。これによって米国のバランスシートは7兆ドルを突破。

リーマンショック時とは比較にならない規模のバラマキが行われています。
バランスシート

現状ではこれの溢れるマネーが益回りが魅力の株式市場に流れ込んでおり
特にウイルスによるダメージがないとされるテック企業中心に大きく
上昇していることからナスダック総合指数は、コロナショックの下落を回復
しただけでなく、今年の高値をも超える上昇相場を演じています。

この裏で、ゴールド市場はもみ合いを強いられているのですが
今回もMACDのデッドクロスでも価格調整は起きていません。
次なる上昇に向けてエネルギーを蓄える期間にあるように見えますね。
ゴールデンクロスとなれば、一段高が期待できそうなチャートです。

ところが、このコロナ禍にあって金の2大輸入国である中国とインドが
ほとんど金を買っていないことが明らかとなりました。

4月のスイスの輸出入統計をみると
輸出総量131.8トンのうち、米国への輸出が111.7トン。
中国 0(ゼロ)、香港5㎏(桁が・・・?)
インド500㎏

ちなみに去年2019年の4月
中国へ25t香港34t つまり59トンが中国向け
インドへ 60t 輸入していました。

要するに、去年4月は中国インドが120t程度輸入していたのに
今年は500㎏しか輸入していないということです。

※スイスは金精錬所などが集積する世界最大の金現物のハブとなっています。

実需と言われる中国インドの買いは、ゴールドの価格の「根雪」部分となります。
GOLD先物市場やETF市場に流入した投資マネーのように
利ザヤを求めて買う場合は、
価格が上がれば利益確定の売りが出ますが、
中国、インドの現物購入需要は文化的背景も強く保有され続けます。


インドでは「魔よけ」の効果があり、持てば持つほど富が集まるとされるほか、
ディワーリー(ヒンズー教の灯明祭)とその後に訪れる結婚式シーズンに、
金の宝飾品を嫁入り道具や贈答用として購入する週刊があります。

ところが2020年の春の婚礼シーズンはインドがロックダウンされたことで
婚礼が先送りされ、これが秋にやってくる婚礼シーズンに集中するとの
見方があるようです。インドのコロナウイルスが収束に向かえば
インドの金輸入が再開し、これが価格押上の要因となる可能性は大きいとみます。

金融市場にあふれるマネー、そしてコロナによるロックダウンと
ロジスティック問題などで輸出入に大きなゆがみが出た反動ということを考えれば
GOLDは上昇余地が大きいと考えることができますが
では急落のリスクはないのでしょうか?

①米大統領選をめぐる攻防による政治リスク、
例えば米中対立の激化による不透明感の高まりや、
国内に広がるデモの拡大などを背景に、
好調に反発してきた米株が再び急落することがあれば
換金売りによるゴールド下落も考えられます。
米国のコロナウイルス感染が一向に収束せず
ワクチン開発期待も絶望的になれば、コロナ後の世界を織り込んで
上昇してきた米株の2番底模索の動きにつながる可能性もあるでしょう。

②新興国経済不安からのIMF金売却リスク

現在国際通貨基金(IMF)は2814tの金を保有しています。
コロナ禍で現在IMFには過去最多の102カ国から
緊急融資の要請が殺到しており低所得国の40%が
債務返済に苦しんでいるものと推定されています。

IMFはこうした新興国支援のために、金を売却する可能性があります。

過去、リーマンショック時IMFは新興国支援のため保有金のうち
403tを売却しています。
これは、IMFの金の総保有量の8分の1に相当する量です。

この時は、インドにも体力があったのでしょう。
2009年10月と11月のIMF金売却時は
インド準備銀行が200t、モーリシャス銀行が2t
スリランカ中央銀行が10tものゴールドを即座に購入しています。

その後、2010年2月から12月に渡り段階的に191.3tが売却されています。

この時の金の値動きがどうであったかを振り返ってみると、、、
めっちゃ上がってるんですねぇ。これは不思議。
IMF

IMFが売却した金は市場が吸収してなお上昇していたということです。

今回、もし、新興国リスクが高まり、IMFが金売却を発表した際に
GOLD市場がこれに驚いて急落するような局面があれば
そこは絶好の金の買い場となりそうです。

前回の金の値動きを覚えている向きは、すぐに買い出動するでしょうから
あまり下がらないかもしれませんが。。。。

興味がある方はラジオNIKKEマーケットトレンドPLUSの
オンデマンド配信で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

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