日本フィナンシャルセキュリティーズ

9月、WTI原油下落の背景に中国の存在

WTI原油価格、40ドルの大台を割り込んでしまいました。
このところ、40ドル大台でピタリと値動きが止まっていたのですが
レンジは下方にブレイクした格好です。

簡単に経緯を振り返ると・・・
WTI原油は4月にマイナス40ドルを示現。

WTI原油先物▼40ドル~米英ロックダウンからの限月間スプレッド拡大
https://www.shouhinsakimono.com/expert/blog/ohashi/130002/

その後、原油価格はゆるゆると反発してきましたが
コロナ前、2020年の年明け1月時点の原油価格は60ドル台だった
ことを考えると、40ドル台にまで反発した今でも原油はかなり安価。

この急落を見逃さなかった中国。
安価な原油を猛烈に買い集めました。

中国、6月の原油輸入量が史上最高更新の背景
https://toyokeizai.net/articles/-/366517

2020年6月の原油輸入量は前年同月比34.41%増の5318万トン
5月の4797万トンより10%以上増加。どちらも過去最高。

中国原油輸入、7月は前年比25%増 価格急落時の購入分が到着
https://jp.reuters.com/article/china-economy-trade-oil-idJPKCN2530LC

7月の中国の原油輸入は前年同月比25%増の5129万トン

5月~7月、中国は猛烈に原油を買っていましたが、
8月、この勢いは8月ダウン。

中国原油輸入、8月は1月以来の低水準 独立系製油所の稼働停止で
https://reut.rs/2gMPcni

一部の独立系製油所がメンテナンス作業のため

とされていますが、今日、エネルギーアナリスト大場紀章氏に
伺ったところ、原油を輸入していたのは中国政府ではなく中国の中小企業。

中国政府は2015 年以降、ティーポットと呼ばれる
国営石油会社の系列に属していない独立系の地方小規模製油所による
輸入原油使用権、原油輸入ライセンスの付与を拡大させてきました。

ティーポットによる原油輸入は中国全体の2割を超えるまでに大きな
存在となっているのですが、年間輸入枠が決められています。

原油急落で、ティーポッドが猛烈に原油を輸入したため
この枠がなくなってしまって、途端に中国からの原油の買いが
止まってしまった、、、、というのが実態のようです。

つまり、需給は全く関係ない(゚o゚;)

しかし、ティーポットの買いが途絶えれば原油価格が
40ドル台を維持するのは難しいだろう、、、ということは
予想できないことはなかったようです。

ん~ここまで情報を追いかけていなかった…反省。

短期的には今週17日のOPEC加盟国による
JMMC(合同閣僚監視委員会)会合。

減産合意の遵守率が低い国について協議するとか?
(イラク、カザフスタン、ナイジェリア、アンゴラなど)
減産遵守を求める可能性がありますが、だからといって原油価格が
上がるとも思えませんね。
根本的には供給を絞るより需要が伸びることの方が重要。

原油価格は大きな買い手が消えて
下値が支えられなくなっていますので、需要が伸びないことには
一段安リスクもあるかと警戒が強まっています。