日本フィナンシャルセキュリティーズ

シルバー急騰、Reddit民 JPモルガン等銀行の貴金属価格操作に怒り?

ゲームストップ株のショートスクイーズ事件。

米国で人気の掲示板Redditに、ハンドルネーム「Player896」というユーザーが
「Bankrupting Institutional Investors for Dummies, ft GameStop
(サルでも分かる機関投資家を破産させる方法、ゲームストップ編)」
という投稿をしたことから、このファンドの巨大な空売りがターゲットになりました。

そして、このRedditによるマネーゲームはシルバー市場にも雪崩込んでいます。
複数のアクティブなスレッドがシルバーを取り上げており、
ツイッターでも「#silversqueeze」タグが拡散中。

銀のスポット価格は、2月1日、1オンスあたり29.70ドルまで10.4%上昇しました。
これはNYMEXの銀市場において2009年3月の13%の急騰以来の最大の1日上昇幅。

シルバーのETF「iシェアーズ・シルバー・トラスト」は
先週(1月最終週)に6%程度上昇しましたが、週明け2月1日市場オープン前に
すでに9%もの上昇となっています。

※これはCOMEXシルバー先物価格 30ドル大台タッチ

銀鉱山株のクール・マイニング
パン・アメリカン・シルバーなども大きく上昇していますね。

※クールマイニング CDE

GJvIJO5t (1468×876)

※パン・アメリカン・シルバー PAAS

0k79gCDs (1468×876)


ここで注目なのが、シルバーには決して
巨大なショートポジションが存在しているわけではない、ということです。

それなのに、redditでは「世界最大のショートスクイーズ」と題し
「シルバー市場は銀行らによって地球上で最も操作された市場のひとつ」
「ショートスクイーズがあれば相当な出来事になる」と盛り上がっているようです・・・。

■これがCOMEXシルバーのCOTポジションポジション

買い残から売り残を引いたネットポジションが緑色の棒グラフ。
現在ネットロングなんですけど・・・。

こうしたコモディティがネットショートになることは滅多にありません。
コモディティ市場の売り手は生産者によるヘッジが常。
下落相場ではヘッジファンドら短期筋が売り込むこともありますが
みんなが売ってしまっては価格が動きません。
生産者の売り、機関の買い、そして投機筋らによる
短期トレードによる売り、買いが交錯というのが通常の相場かな。

Redditへの書き込みには
「銀価格は1トロイオンス=25ドルでなく1000ドルであるべきだ」とも
投稿されているようですが、今、25~30ドルなんですけど・・・。
煽りすぎです

ただし、過去にはネットショートになった時期もありますよ。
これは週足チャートです。

赤く下に伸びるグラフはネットショートだった時期。
そう長くは続かないものなんですが2018年~2019年には随分
売り込まれていた時期がありました。

実はこうしたシルバーのショート、メガバンクが仕掛けて
価格を不正操作してきた、という指摘があるんですね。

2014年にドイツ銀行がゴールドとシルバーなどの価格操作を行っていたとして
訴えられたことがきっかけで
貴金属市場における価格操作は、ドイツ銀行だけではなく
バンク・オブ・アメリカ、英スタンダードチャータード、
BNPパリバ・フォルティス、英銀バークレイズ傘下の部門でも
行われていたことが調査で明らかとなったのです。

この価格操作にはUBSとBNPパリバ・フォルティス、HSBC、
スタンダードチャータード、ノヴァスコシアなども関わっていた、と報じられました。

主犯格はJPモルガン。
先物市場でシルバーをショートし、価格を不当に抑え込んで
現物を買い集めていた、とされています。

これが事実であったことは去年、JPモルガンが
貴金属先物の操作的な取引に従事していたとして
9億2000万ドルの罰金を支払っていたことでも確認できます。

JPモルガン、制裁金最大の960億円 貴金属取引で不正
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64406040Q0A930C2000000

では、なぜ価格を不当に安く操作し続けたのでしょうか。

こんな記事があります。
JP Morgan on Silver
https://medium.com/@dane_klocke/jp-morgan-on-silver-563206de450e

JPモルガンは、計算上では少なくとも6億オンスの銀の現物備蓄を、
1オンスあたり20ドル前後の平均コストで蓄積しています。

~シルバー価格がいずれ上昇することを承知の上で、在庫を増やしている。
JPモルガンは、銀価格が下落する中で、世界史上最大の銀の宝庫を手に入れた。

おそらく、次に価格が上昇した際、モルガンはショートを追加することはないだろう。
7つの大手銀行がパニック状態で買い戻しをしているときに、現物需要が発生する可能性が高い。

ん~ちょっとポジショントークっぽい記事ですが
これまで、モルガンは先物市場でシルバー価格を抑え込み
現物を買い集めてきた、ということが書かれています。

先物市場で価格操作していたことは訴えられて制裁金を支払っているので事実ですね。

つまり、シルバーが将来的に上昇すると見込んでいた、ということだ、
この記事には書かれていて、過去最高値の50ドルなどすぐに超えてしまうだろうとしています。

このような事実を知ってか知らずか
個人投資家はシルバーの現物を買い漁り始めました。

銀貨サイト、需要過多で対応不能に-「レディット」投資家が照準
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-31/QNTFKCDWX2Q001

レディットに群がった個人投資家は先週、銀市場になだれ込み、
銀の現物や銀鉱山運営会社の株式、銀上場投資信託(ETF)の価格押し上げに成功した。
もっとも投資家は確保した銀で利益確定を目指すのではなく、保持している様子だ。

ゼイナー・グループのシニアバイスプレジデント、ピーター・トーマス氏は
「今のところ1件もオファーがない。恐ろしいことだ」とした上で、
「われわれが売るものは何でも、人々はつかもうとしている。金属の流入が全くない」と語った。

何が驚きかというと、
シルバーマーケットのショートスクイーズという次元の話じゃなくて
彼らがシルバーの現物に価値を見出した点です。

“世界最大の貴金属オンライン小売業者を自称するAPMEXは、ウェブサイト上の通知に
「銀現物商品の空前の需要のため、多くの商品の追加注文を日曜日の夜までお受けすることができません」
と書いています。
またSD Bullionは、「空前の銀需要のため、日曜日の夜まで注文を受け付けられない」と警告。

先物市場などは、加熱すれば取引所が証拠金を引き上げますので
それで熱が冷めたように落ち着いちゃうこともありますが
現物を買いに動いているとは・・・・

これまでにはなかった事が次々に起こりますね。
これが、掲示板が発端なのです。

どうもシルバー上昇でモルガンは儲かっちゃう構造になっているようですし、
ゲームストップ株事件にみられる空売り筋を潰すために連携しよう、
というのは筋の違う話じゃないかと思いますが、、、
(モルガンの貴金属取引の現状、実態はわかりませんが)
それを理解して動いているんだろうか?

しかし、こうした騒動がなかったとしても
過剰流動性マネーが通貨よりリスク資産に向かう環境ですし
バイデン大統領が掲げる再生可能せネルギーの太陽光発電って
シルバーペーストを使用するということもあって、
需要増のテーマも存在します。

ということで、シルバーちょっと前からちょっとだけ買っています。
さて、どのような顛末をむかえるでしょうね。