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金利上昇でも金上昇となる?!20年米国がGOLD現物買い世界一に

GOLDが冴えません。

教科書的にはGOLDは金利がつかない資産であるため
金利上昇局面では、そちらに資金を奪われるため弱いとされています。

これは正しくもあり、間違いでもあります。

どういうこと?!

実は時間軸が異なれば全く異なる結論が導き出されます。

まずは短期的にはこんな塩梅・・・
金利と金青のラインが米10年債利回り。
金利が上がるとGOLDが下落しています・・・。

米長期金利は 2020年3月に0.36%まで下落し
超長期で下落トレンドが続いてきましたが、
大底をつけたのではないかというのが
GOLD市場には弱気材料として意識されているのです。

ところが超長期でみてみると、、、
※エモリファンドマネジメント作成
 ひろこのWeeklyGOLDから
米金利

金利上昇局面もありました!!
赤い四角で囲った部分1970年~80年頭くらいまでですね。

コレをよくよくみてみると、、、金利上昇でもGOLDは上昇しています。
江守氏の解説によると、金利上昇=インフレ加速ならば
通貨の価値が原価していくわけですから
多国籍通貨とも呼ばれるGOLDが買われるのは全く不思議ではない。
インフレヘッジになると言われる所以ですね。

たしかに現状足元で起こっていることは、金利上昇局面での
GOLD ETF市場からの資金流出によるGOLD価格下落です。

※エモリファンドマネジメント作成
 ひろこのWeeklyGOLDから
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このGOLDETFとGOLD価格の相関はかなり高い事がわかりますね。

GOLD市場にETFという商品が誕生し、年金など機関投資家らが
GOLDに気軽に投資できるようになったのは2000年代。
その前はGOLDに直接投資するのは難しかったという側面もありますので
1970~80年台の値動きと現在を単純比較はできないのは
前提にあるのですが、インフレ時にはGOLDが上がっていたことは事実。

また、この時のインフレは経済成長率が低下していく過程で
加速したという経緯があります。
景気後退期のインフレ=スタグフレーションだったようですね。

http://kccn.konan-u.ac.jp/keizai/america/01/01.html

インフレに加えて、
先行きへの不安が金価格を押し上げたのだと思われます。

では、今は不安のない状況なのでしょうか!?

実は、金ETF市場からは資金が流出していますが
米国の投資家らは「現物の金」を買い始めたのです。

GOLDの実需筋といえば長いことインドと中国でした。

実需=現物を伴う買い 
   ・金地金、宝飾用・産業用などなど

中国は縁起物としてGOLDが好きだということに加えて
国家が戦略的にGOLDを集めています。
人民元の国際化を目指す流れで金の裏付けがほしいのではという憶測も。
実際ドルが基軸通貨であるのも米国が世界一の
金保有国であるため信認されているとの説も(IMF除く)
中国も人民元の信認を高めるためにGOLD保有を増やしているのでは、
という憶測がまんざら違っていないように思うのは
中国は国外に金を輸出することが禁じられているという点にも
表れているように思います。買ったらもう国外には出させないのです。
その中国もさすがに2020年はコロナ禍、金需要が低迷しました。

そしてもう一つの金需要大国、インドは婚礼需要が大きい。
インド には娘が結婚する際、親が花嫁に高価な金や銀の
アクセサリーを持参させる「ダウリー」と呼ばれる風習があるのです。
特にヒンズー教の新年「ディワリ」など婚礼シーズンには、
金の宝飾品需要が特に活発になるのですが、
2020年はコロナ禍婚礼ができず需要が止まっていました。

この中国インドの買いは、20年秋くらいから戻ってきていますが、
コロナ禍、中国インドが動けなかった3月から米国がGOLDを爆買い
していたことが明らかになっています。

※貴金属スペシャリスト 池水雄一氏資料
ひろこのWeeklyGOLDから
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このグラフの紫色が米国。
コロナ前はほとんど現物を買っていないでしょ。
突然GOLDを買い始めたのです。

一つには、コロナで物流が止まり現物が動かなかった際、
先を見越した先物市場でのGOLD価格がどんどん上昇し
ロコ・ロンドンスポットと先物の価格乖離が
最大で100ドルにもなりました。

これはロコ・ロンドンでGOLD現物をひいて
COMEX先物市場で売れば100ドル儲かるってこと。

※ただ、ロンドンとCOMEXのスペックが異なるため
精製し直さなくてはなりません。それにはコストがかかります。
・COMEXは100オンス99.5%バー
・ロンドンは400オンス99.9%バー

ロコ・ロンドンラージバーを引いてCOMEXで売ればいいのですが
ところがコロナ禍で精錬所の稼働が止まってしまった。
ということで、コレを精製しなおさなくてもいいことにしたという経緯が。

その背景については詳細省きますが、
要するに、20年は米国が世界一の金の現物需要大国になったということ。

コレには驚きました・・・・。
単純にスポットと先物の価格の乖離によるアービトラージが
おいしかっただけなのか、それとも、
未曾有の金融緩和、財政政策でドルの価値の凋落への懸念が
GOLDの現物需要を掻き立てているのか。

今年の米国の実需動向に注目ですね。

さて、3月27日(土)13:00~GOLDの
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