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EVシフトが話題でもパラジウム・プラチナ需要が増えているワケ

脱炭素政策で世界の自動車がEV(電気自動車)になれば
ガソリンやディーゼルを燃やしてCO2を排出することがないため
CO2除去の触媒として使用されるパラジウムやプラチナの需要は
将来的にはなくなってしまうこととなりますが、
しかしパラジウム価格は足元で非常に強いですね。

※ドル建て金、パラジウム、プラチナ比較 日足
プラパラ比較だよ

世界のガソリン車・ディーゼル車の販売は将来的には禁止され
細っていくことが決まっているのですが、、、。

◆ガソリン・ディーゼル車販売禁止を決定した国々

2021年
コスタリカ(プラグインハイブリット含む)

2025年
ノルウェー(プラグインハイブリット含む)

2030年
スウェーデン(プラグインハイブリット含む)
ドイツ(プラグインハイブリット含む)
オランダ(プラグインハイブリット含む)
英国 (プラグインハイブリットは2035年~)
アイルランド(プラグインハイブリット含む)
アイスランド(プラグインハイブリット含む)
スロベニア(プラグインハイブリット含む)
イスラエル(プラグインハイブリット含む)

2035年
中国 
香港(プラグインハイブリット含む)
米国(プラグインハイブリット含む)
カナダ

2040年
フランス(プラグインハイブリット含む)
スペイン(プラグインハイブリット含む)

後9年後の2030年にはドイツ、オランダ、英国が、
14年後の2045年には米国、中国、カナダが全ての内燃機関車の新たな販売を禁止します。

その頃には、ガソリンの触媒として必要なパラジウムや
ディーゼルエンジン車の触媒として必要なプラチナ価格に
影響が出ているかもしれませんが、9~14年後の話ですね。

実際、2020年の世界の乗用車販売のうち
EVとPHEVを合わせた販売台数はたったの4.8%です。

現状ではその他の自動車販売はすべて内燃機関車ってことです。
まだパラジウム相場に影響を及ぼすほどにはEV車へのシフトは
起こっていないということですね。

更に言うと、新車販売がすべてEVになったとしても、
それまでに販売された内燃機関車を廃車にするわけではありませんから、
中古車市場では販売され続けるでしょうし、
路上を走る自動車が完全にEV車に入れ替わるには、
相当の時間がかかると思われます。

ただし、世界の脱炭素政策は強化されており、
内燃機関車の新車販売にも厳しい排ガス規制が課せられています。

EUは2021年1月から「Euro 6d」を施行。
これによって2020 年のガソリン車のパラジウム使用量は約 45% 増加しています。
※車 1 台のパラジウム使用量が 3.9 グラムから 5.6グラム増加した。

また、中国の排ガス規制「国6」はEuro6より厳格な内容。
窒素酸化物(NOx)の排出規制値、50%の向上を義務付けるもの。
(「国6」は2段階で導入される。
 「国6A」(国5より一酸化炭素を30%削減)が2020年7月まで
 「国6B」が2023年7月までに全国に適用予定)
 
こうした厳しい排ガス規制が導入された中国ですが、
すでに2013 年からプラチナ使用量が 40%以上増加しています。

これはPGM(パラジウム・プラチナ、ロジウム)使用量と
自動車販売台数の比較のチャート。

触媒呂
世界の1年間の自動車販売は1990年から微増もあまり大きく伸びていません。
ところがPGM使用量は90年から見ると自動車販売台数に4倍にも登ります。
販売台数が伸びなくてもPGM使用量が伸びている、、、
排ガス規制強化のせいですね。

※EU,インド、中国、アメリカの排ガス規制
各国規制

この表にはありませんが、今、EUではEuro7導入が検討されています。
2025年導入予定で、より規制が強化されるとの報道も。

というわけで、
世界の自動車が完全にEV、あるいはFCV(水素自動車)にシフトするまでの間、
排ガス規制の遵守が求められる自動車業界は
PGM使用量を増やさざるを得ないのです。

※OSE パラジウム先物月足 日足
 ただし、流動性が極端に低いのでご注意を。
 パラp等

史上最高値を更新しています。
強気継続ですが、パラジウムはボラティリティが大きいため
ボリンジャーの中心線7905円辺りまで
調整があっても耐えられるポジションで。
1σまでの調整の場合9097円。

※OSEプラチナ先物 月足 日足
pura

月足超長期下落トレンドは終了。
ボリンジャー1σまで調整あれば3906円まで下落の可能性。
20年コロナショック時の安値からのフィボナッチで
0.382%押しが3519円。
このあたりまでの下落があっても耐えられるポジションで。

日足チャート完全にレンジも
目先は上値が重そう。
3月安値が3825円近辺、ここを割り込めば3519円。
ここまで下げれば買い出動ですね。