日本フィナンシャルセキュリティーズ

大豆、コーンなど穀物相場とバイデン政権のバイオ燃料政策

大豆相場が上値が重くなってきました。dai大豆

2018年~2020年、中国はCSF(豚コレラ)によって
大量の豚の殺処分を強いられ、豚の飼料となる穀物需要が急減しました。
ちょうどトランプ政権下での米中貿易戦争が加熱していた時期と重なり、
中国は米国から大量の穀物を輸入する必要がなくなっていたのですが、
CSFが収束に向かう中、中国の台所の屋台骨である豚肉需要は強く
2020年半ばから養豚数が急増、中国は慌てて飼料用穀物を大量に輸入するようになりました。

丁度コロナ禍が重なったこともあり海上インフラが乱れたままであるほか
昨冬のラニーニャ減少でブラジルやアルゼンチンなど南米産大豆などの生産量が減少、
アルゼンチンではストライキなども発生したこともあり、
供給面からの不安も大きく大豆を始めコーンなど穀物相場が急上昇となったのです。

しかし、このところ大豆、コーンともに上値が重くなってきています。

小菅氏の先週のツイート
@kosuge_tsutomu
https://twitter.com/kosuge_tsutomu/status/1403507490344488963
穀物相場の急落はこれ。バイデン政権がバイオ燃料政策の変更を検討している可能性をReutersが報じています。
バイオ燃料の使用義務緩和などの可能性。

小菅氏が指摘したリンク先の記事を紹介しましょう。

⇒バイデン政権は、出身地であるデラウェア州を含む上院議員からの圧力を受け、
米国の石油精製会社に対するバイオ燃料混合の義務化を緩和する方法を検討していると
3人の関係者によって明らかになりました。

石油精製会社で働くブルーカラーの労働者と、
バイオ燃料に頼って巨大なトウモロコシ市場を支えている農家という、
政権にとって重要な2つの支持層を対立させるものです。

トランプ前大統領は、米国の製油所に対する再生可能燃料基準の適用除外を
大幅に拡大しましたが、バイデン政権ではこれを撤回することになるかもしれません。

再生可能燃料基準では、毎年何十億ガロンものエタノールや
その他のバイオ燃料を燃料に混ぜるか、混ぜたバイオ燃料から
クレジットを購入することが義務付けられています。

RINsと呼ばれるこのクレジットは、13年間のプログラムの歴史の中で
現在最も高い価格となっており、製油業者は、この政策により
パンデミックによる需要の減少ですでに打撃を受けている燃料メーカーが
倒産する恐れがあると述べています。

バイオ燃料支持者は、燃料メーカーは何年も前に
バイオ燃料混合施設に投資すべきだったと反論しており、
クレジット購入のための追加コストを転嫁できるとしています。

再生可能燃料クレジットは、このニュースを受けて金曜日の朝、15%下落。
トレーダーによると、クレジットは1枚1.70ドルで取引され、
木曜日の2.00ドルから下落した。その後、1.85ドルで取引されました。

3人の関係者によると、民主党のクリス・クーンズ議員とトム・カーパー議員は
米国環境保護庁のマイケル・リーガン長官とここ数週間の間に少なくとも2回、
製油所に対する救済策を検討するための話し合いを行ったとしています。

クーンス氏とカーパー氏は、デラウェア市にある日量約18万バレルの州唯一の
製油所の支援を求めています。
またペンシルバニア州、テキサス州、ルイジアナ州など、
製油所を持つ他の州からも要望が寄せられています。

この会議で、リーガン氏と上院議員は、製油業界の義務の一部を
免除する全国的な一般免除、将来的に製油所が混合しなければならない
再生可能燃料の量を引き下げること、コンプライアンス・クレジットに
価格上限を設けること、緊急宣言を出すことなどの選択肢について話し合ったと、
関係者2人が語っています。

~中略~

また、大統領の労働・経済問題担当副補佐官であるセス・ハリス氏も、
バイオ燃料の義務化に対する組合の不満を聞くために、組合の代表者と面会しています。

デラウェア・シティ工場を運営するPBFエナジー(PBF.N)のような
マーチャント・リファイナーは、バイオ燃料法によって工場が閉鎖され、
何千人もの組合員の雇用が失われる可能性があると述べています。

同社は最近、ニュージャージー州の製油所の大部分を閉鎖していますが
これは米国東海岸での一連の閉鎖の中で最も新しいものです。
米国の油田から離れているために精製コストが高くなるこの地域では、
2000年以降、燃料生産能力が約40%低下しています。

連邦政府のデータによると、2000年にアメリカ東海岸で稼働していた
17の製油所のうち、残っているのは8つだけです。

少なくとも1つの企業は、この政権が製油所を助ける結果になることに賭けています。
ロイターは以前、デルタ航空(DAL.N)がRINsの購入を中止し、
ペンシルバニア州にある同社の製油所に第1四半期末時点で
3億4600万ドルの負債を残したと報じました。

**************************************

石油生産者の票を取るか、農協従事者票を取るか。

再生可能燃料基準では、毎年何十億ガロンものエタノールや
その他のバイオ燃料を燃料に混ぜるか、混ぜたバイオ燃料から
クレジットを購入することが義務付けられています。

とありますが、バイオ燃料とは生物由来の有機性資源(バイオマス)が原料。
​発酵、搾油、熱分解などによって作られます。
その中の「エタノール」はとうもろこしから作られます。
また、「バイオディーゼル」は菜種油、パーム油、オリーブ油、ひまわり油、
大豆油、コメ油、ヘンプ・オイル(大麻油)などの植物油、
魚油や豚脂、牛脂などの獣脂及び廃食用油等様々な油脂を指しますが、
大豆や米などの穀物も含まれていますね。

CO2排出量削減のために、バイオマス燃料を石油に混合して
使用することを義務付ける動きが加速する中で
バイデン政権は脱炭素にエンジンを吹かすと思われているのですが
どうも、思ったよりゆるいものになる可能性がある、ということのようです。

これまでの大豆、コーンの価格上昇に
バイオ燃料政策の強化が材料視されてきたとは思えないのですが
しかし、コーンの投機筋ポジションを見ると結構積み上がってますよね。
ネットロングが40万枚を超えています。
4

これが解消される時には相応の下落圧力となるでしょうから
やはり、これまでバイオ燃料需要増が材料で上がってきたわけではなくても
ポジション整理の際の材料にされてしまうリスクはないとはいえません。
やはりここからの大豆、コーンなど穀物相場には下落への警戒が必要でしょう。

まだコーンのチャートは崩れてはいないのですが、、、、。
コーン