日本フィナンシャルセキュリティーズ

米国在庫減少で原油上昇、WTI原油は底入れしたのか

今週21日月曜に 33ドル台まで突っ込んで下落したWTI原油価格ですが
23日水曜のNY市場では37.95ドルまで上昇しています。

クリスマス、、、それから年末という時期ですので
これまでの大局のトレンドと違う動きをしても、簡単に乗らぬ方が得策かと思っていますが、
それでも昨日23日の原油上昇にはそれなりの材料が。

毎週水曜に発表される米国エネルギー情報局(EIA)の週間統計
先週末の全米の原油在庫は60~140万バレル増加の予想に反し
前週比588万バレルの減少となったことに大きく反応しました。

在庫減少に素直に反応した、ということですね、、、

でもこれ、時期的に慎重にみなくてはならないみたいよ。

NY在住の気鋭のアナリスト「よそうかい」こと松本英毅氏のレポートに
https://www.shouhinsakimono.com/expert/service/yosoukai/

南部メキシコ湾岸が大きく減少した一方で他地域で積み増しが確認され、
南部製油所の税金対策にともなう意図的な取り崩しの…

なんてことが書がれています。
税金対策ですって?!例年あることのようですが、
こういう話って一般報道ではなかなか知りえないわよね。

詳細は松本氏のレポートを読んでいただきたいのですが、
今回のこの急激な在庫減のオイル上昇について行かないほうがよさそう。

それと、こんなWSJの記事にも注目。
http://jp.wsj.com/articles/SB10042852630784164445404581434701165327520

原油価格の反転を予想するトレーダーの一部が、間接的な投資を始めている。原油の代わりに石油会社の債券や産油国の通貨を購入し始めた。

だそうで、

こうした投資戦略が採用された一因は、石油先物価格で時折起こる順ざや(コンタンゴ)にある。これは石油のスポット価格が、先物価格より低い状況だ。今年は、この順ざや現象が支配的だったため、原油先物を購入するコストが上昇した。先物契約が期限を迎えた際に、その先の先物を購入するために高い価格を払わなければならなくなったのだ。この高値の先物を避けるためにトレーダーらは、原油の代替投資先に向かい出した。主要産油国の一つノルウェーの通貨クローネもその対象だ。

と書かれていますが、
私が番組でお話を伺ったエネルギーアナリストの
大場紀章氏によると、トレーダーらの間では安いスポット原油を買って、
高い先物原油を売ることでの鞘とりが横行していたようです。
それも、スポット原油の保管コストなどもかかりますし、
鞘が縮小するとこの取引の妙味は薄れていくわけです。
http://blog.radionikkei.jp/trend/date/20151211/

この記事の趣旨は、原油の代替投資としての通貨やエネルギー企業の
債券や証券などが物色され始めているというものですが、
(それもリスクもあるよって書かれてる)
記事中には「コモディティー自体に投資するのは「もはや時代おくれ」
というコモディティ調査部門担当社のコメントなんかも出てきていて
リーマンショック以降厳しくなってしまった金融規制、
ドットフランク法などの影響もあるのでしょうかねぇ。

しかし、市場にはエネルギー関連の債券や株、通貨などを物色する
動きが出始めているということで、そろそろ原油の底入れは近いと
見る向きがあるということですが、
ここで最初の松本氏の分析に戻って考えると
もうはまだなり。というような再下落の可能性は十分にあるだろうことに
留意しておきたい局面だな、と思った次第です。

資金に余裕があれば、半年~1年の安値を拾っていくって戦略は
アリですけれど・・・そんな余裕はないですもの。