
OPEC非公式会合で減産決定?!イランの増産を認める形だが…
OPEC、減産で一転合意 8年ぶり方針転換
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM29H0F_Z20C16A9000000/
ちょっと驚きました…。
それほどにサウジも財政難ということか。
加盟14カ国の原油生産量を日量3250万~3300万バレルに制限することで一転、合意した。
OPEC加盟14カ国は8月時点で日量3324万バレルを生産しており、今回の合意は「減産」の意味合いがある。OPECが減産するのは、金融危機後の2008年以来、約8年ぶりとなる。11月30日にウィーンの本部で開く総会で詳細を詰め、正式に合意する方針だ。
そもそも、「減産」って言葉がサプライズよね。
せいぜい増産凍結までだろうというのがコンセンサスでした。
サウジとイランの歩み寄りは無理だろうというのが大方の見方でしたが
そういえば、随分会合前に担当者らが会談していたことを考えれば
このサプライズも予測できないでもなかったのか・・・?!(いやムリ)
OPEC、8年ぶりの減産で合意-イラン増産容認でサウジが譲歩
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-28/OE89WSSYF01S01
「OPECの盟主サウジが大幅に譲歩し、イランに限って増産を認めたためだ。」
ここよ、ここ。こんな歩み寄りがあるとは思いもしなかった。
1月4日には国交断絶宣言してた両国よ?!事態の推移が早すぎる。
ブレグジットもそうだけど、今年は常識脳での思考がことごとく
覆される印象、、、このままいくとトランプ大統領誕生も・・・なんて。
びっくりしたのはマーケットも同じ。
このニュースを受けて原油価格は急上昇。
※WTI原油15分チャート
しかし、、、
問題はこれが実際にできるのか、ということと、
この程度の減産で本当に原油押し上げ効果があるのかということ。
減産と派手に報道されたものの各国枠は議論されていません。
具体的にどの国がどの程度という枠組みは11月総会に先送り。
サウジが大幅に譲歩しイランに限って増産を認めたようですが
それで、他の国が納得するでしょうか。
イランだけ特別、というのでは本当に各国の合意が取り付けられるのか疑問です。
そして原油需給へのインパクトについては
ひろこの知らないコモディティの世界セミナーシリーズで
講師としていろいろ教えてくださった小菅さんが早速解説コラムを書かれています。
OPEC「減産合意」の真相
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kosugetsutomu/20160929-00062689/
日量3,250万~3,300万バレルの産油水準は、8月を基準にしても24万~74万バレルの減産に留まる。OPECとしては、「減産」のメッセージを強く打ち出すために幅を持たせた産油水準を提示したのだろうが、裏返せば殆ど減産が行われない可能性も十分にある。
ということですので、あまり過度にはしゃいで高値を追わないことです。
原油チャートは日足でみるときれいにレジスタンスで止められています。
※WTI原油日足チャート
このレジスタンスを超えて上昇すれば一段高で50ドルタッチもあるでしょうけれど、、、。
世界の需給はまだまだ供給過剰状態ですので50ドルから上はどうかな。
50ドルを超えてくると米国がまたシェール増産してくるでしょう。